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EVバッテリー容量は?V2Hを使って停電時に家電は何日使えるかも解説

  • 投稿日:2025.12.01
  • 更新日:2025.12.01

電気自動車(EV)は単なる移動手段を超え、「走る蓄電池」として注目を集めています。特に近年は、EVに搭載された大容量バッテリーを家庭の電力源として活用する「V2H(Vehicle to Home)」の技術が進展し、非常時や電気代の節約手段としても期待されています。
V2Hの詳細については「V2Hとは?導入メリット・デメリットと必要機器・費用を徹底解説」をご覧ください。

では、EVに搭載されているバッテリー容量はどの程度で、どんな家電をどれくらい動かせるのでしょうか?この記事では、EVバッテリーの基本スペックから実際の使用シーン、導入方法、注意点までを詳しく解説します。

EVバッテリー容量 貯めた電気は家電にも使える?

EVのバッテリー容量とは?

EVにおける「バッテリー容量」とは、電気をどれだけ蓄えられるかを示す数値で、「kWh(キロワットアワー)」という単位で表されます。これは、1kWの電力を1時間使える量を意味します。

車種別のバッテリー容量(例)

メーカー 車名 バッテリー容量(kWh) 充電走行距離
日産自動車株式会社 リーフ B7X 78kWh 702km(WLTCモード)
サクラ G 20kWh 180km(WLTCモード)
三菱自動車工業株式会社 アウトランダーPHEV P 22.7kWh 102km(WLTCモード等価EVレンジ)
トヨタ自動車株式会社 bZ4X G 57.7kWh 544km(WLTCモード)
本田技研工業株式会社 N-ONE e:L 29.6kWh 295km(WLTCモード)
BYD SEALION 7 82.56kWh 590km*1
  • ※出展 2025年11月現在の各カーメーカーのWEBサイト記載の情報から
  • *1. 検査機関:ATEEL S.à r.l., 認証機関:Le gouvernement Luxembourg Ministère de la Mobilité et des Travaux publics

容量が大きければ大きいほど、走行距離は長くなり、また蓄電池として使用する場合にも家電に使える電力量が多くなります。

EVの電力で家電は使えるのか?

EVの電気はそのまま家庭で使うことはできません。家庭に電力を供給するには、「V2H機器(Vehicle to Home)」と呼ばれる専用のパワーコンディショナーが必要です。この機器はEVから取り出した直流電力(DC)を、家庭で使える交流電力(AC)に変換して供給する役割を果たします。設置には工事が必要で、太陽光発電との連携や系統連携も考慮が必要です。
V2Hの工事にかかる費用については、「V2Hの設置費用はどのくらい?電気代は節約できる?」をご覧ください。

EVバッテリーで使える家電と使用可能時間

仮にEVバッテリーの電力を60kWh使った場合、どれだけの家電がどれくらい使えるのか、以下の表で見てみましょう。

家電製品 消費電力の目安 使用可能時間
冷蔵庫(中型) 約150W 約400時間(約16日)
液晶テレビ(40型) 約100W 約600時間(約25日)
ノートPC 約50W 約1200時間(約50日)
電気ポット 約1000W 約60時間
電子レンジ 約1300W 約46時間
エアコン(冷房) 約800W 約75時間
IHクッキングヒーター 約1500W 約40時間
  • ※上記は理論上の目安。実際は充電残量、変換効率、他の負荷などにより短くなります。

このように、EVは非常用電源として数日~1週間以上の家庭電力をまかなえる性能を持っているのです。EVによる停電時の家電使用時間については「V2Hで蓄電池代わりになる仕組みと使い方を解説!災害時の停電もEVで安心」をご覧ください。

非常時の活用例:停電・災害時

日本では地震や台風などの自然災害が多いため、停電への備えは重要です。実際に、過去の災害(例:2019年の台風15号による千葉県の大規模停電)では、EVを活用して家電やスマホの充電、照明の確保ができたという事例が多く報告されています。

  • ・冷蔵庫を稼働させて食料を保存
  • ・スマホやラジオを充電して情報収集
  • ・LED照明や扇風機で生活を維持
非常時の活用例:停電・災害時

EVのバッテリーは住宅用蓄電池(一般的に5~10kWh)と比べても圧倒的に容量が大きく、持ち運べる蓄電池としての価値があります。

V2H導入による節電・経済的メリット

EVバッテリーの電気を家で使えるようにするにはV2Hが必要ですが、V2Hを導入すれば、災害時だけでなく日常的にも電気代の節約が可能です。

    ■ 使い方の一例
  • ・夜間(電気が安い時間帯)にEVを充電
  • ・昼間(電気が高い時間帯)にEVの電力を家庭に供給
  • 結果的に、電気料金の高い時間帯の電力使用を回避できます。
V2H導入による節電・経済的メリット

V2H導入の詳細は「V2Hとは?導入メリット・デメリットと必要機器・費用を徹底解説」をご覧ください。

特に太陽光発電と組み合わせればさらなる相乗効果が期待できます。昼間は太陽光 → 家 + EV充電、夜間はEVから家へ、といった運用が可能になり、買電を抑えることができます。

V2H導入による節電・経済的メリット

V2Hと太陽光発電を連携させる運用についての詳細は「太陽光発電でEV充電をもっと賢く!V2Hの導入効果も紹介」をご覧ください。

まとめ:EVのバッテリーは“第2のライフライン”に

EVに搭載されているバッテリーは、車を走らせるだけでなく、家庭を支える電源としても機能するようになってきました。特にV2Hを活用することで、停電時の安心、日常の電気代削減、災害への備えなど、多くのメリットが得られます。

車の選び方が「走行性能」や「燃費」だけでなく、「どれだけ電力として使えるか」という視点へとシフトしつつある今、EVのバッテリーは生活を支えるインフラとして重要な存在となっていくでしょう。

今後はV2H対応車種の増加、価格の低下、双方向充電技術の普及により、EVと家庭のエネルギー統合はより進むと予想されます。EVは単なる車ではなく、分散型エネルギーの主役となる可能性を秘めています。

オムロンでは、こうしたこれからのEVライフをV2Hシステムによって支援しています。詳しくは「オムロンのV2Hの価格は?特長や補助金まで詳しく解説」をご覧ください。

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