導入事例

ヒカワ石油株式会社(郵船商事株式会社)様

ヒカワ石油株式会社(郵船商事株式会社)様

Casestudy

お客様の声

業界初!「創」「蓄」「省」の複合エネルギーシステムで、
災害時に強く、環境にもやさしいグリーンステーションが誕生。

※蓄電池と系統の連系によるピークカット

ヒカワ石油株式会社様

ヒカワ石油株式会社
郵船商事株式会社の関連会社として、静岡県伊東市に昭和シェル石油特約店の伊東シーサイドSSを経営。地域に密着した次世代のエコGSを目指し、環境貢献を重視したサービスを提供している。

今回、停電時でも給油機を稼働できる、総合的なエネルギーシステムを伊東シーサイドSSに導入されたそうですね。

井上さん:はい、太陽光発電と蓄電池、LED、さらにはエネルギーマネジメントシステム(EMS)を組み合わせたエネルギーシステムを導入しました。仕組みは、平常時の日中は、太陽光発電による使用電力で電力量のベース削減をし、夜間は系統からの買電で蓄電池に蓄電します。
一方、災害などの停電時には、太陽光発電の電力を蓄電池に充電し、給油機へ放電することで、系統からの供給がなくても、最低でも3、4時間は営業活動を行うことができるというシステムです。

状態に応じた電力フロー

BCPと省エネの両方に役立つわけですね。きっかけは震災だったんでしょうか?

井上さん:そうですね、弊社は直接的な被害はなかったのですが、計画停電や政府からの節電要請もあって、照明を落として暗くしたり、営業時間を1時間短縮するなど、営業活動への影響は少なくありませんでした。
一方で、弊社は石油という環境負荷のある商品を販売しているという立場もあり、企業として少しでもエコに貢献しようというポリシーがあります。以前から国連認証のCO2排出権付きガソリンを販売するなど取り組んできましたが、新たに経産省の補助金を活用したグリーンステーション化を検討していました。

郵船商事(株)グリーンエネルギーグループ 井上 憲子さん

そこで、オムロンから提案を受けたわけですね。何が決め手になったのでしょうか?

井上さん:はい、ちょうどそんな折にオムロンの太陽光発電のセミナーを受け、EMSを含めた総合的な提案ができると聞いたのがきっかけです。中でも、1番のポイントは、「蓄電池と系統との連系」ですね。
これは、停電時に蓄電池から放電するだけでなく、系統から電力を受けている平常時にも、ピークオーバーを予測して放電できるというもの。あらかじめ設定した目標値を超えそうになったら、自動で放電をしてピークカットができるという仕組みです。

1日の消費電力の変化

蓄電池でピークカットをするというのは面白いですね。他社からは同様な提案はなかったのでしょうか?

井上さん:他の企業からもPVと蓄電池システムの提案はあったのですが、系統連系をしながら、蓄電池を平常時と停電時で使い分けられるのはオムロンだけでした。実際に、このピークカットは業界でも初めての技術のようです。また、震災後、家庭用の蓄電池は徐々に普及し出しましたが、蓄電池で三相の給油機へ通電する例は珍しく、この対応力も決定のポイントとなりました。

初めてのシステムということで、難しい内容も多いですが、仕組みなどはすぐに理解できたでしょうか?

井上さん:はじめは私も電気系統などの知識がなく、よく分からなかったですが、図解の資料などで詳しく説明してもらえたので、概要は理解できました。ただ、補助金承認後も、初めての試みということで不透明な部分も多く、一旦は見送る声もあったんです。そこをコスト、設計面含めて、丁寧に要望をくんでもらえたので、導入を決めました。

コストの部分では、電気代から見てどのくらいの投資対効果が期待できるのでしょうか?

井上さん:弊社の昨年の電気代のうち、PVで8%、LEDで9%を確実に削減できる見込みです。さらにピークカットで契約電力を減らしていけば、基本料の部分でさらに8%を削減でき、全体で約25%の削減が見込まれています。
1千万円を超えるイニシャルコストも、2/3は補助金で賄えるため、10年強で投資を回収できる予定です。ただ、コストよりも、CSRの観点でお客様へ弊社の環境取り組みや想いを伝えられることが一番の効果ですね。

実際に、お客様の反応はいかがでしょうか? 所長の土屋さん、お願いします。

土屋さん:発電・蓄電などの電力の流れやシステムの役割が分かるモニターを店内に設置しているので、お客様からもよくご質問をいただいたり、高い関心を持っていただいています。今後、削減効果が実際に見えて提示できるようになれば、お客様や弊社のスタッフも、意識がさらに変わってくるのではないでしょうか。
また、モニターでは、お知らせ告知もできるので、取り組みの説明や排出権付きガソリンの告知なども含め、さらなるエコPRに努めたいです。伊東は観光地なので、全国からお客様が来られます。弊社が環境にやさしいスタンドであることを知っていただき、また来店してもらえる店づくりをしたいですね。

ヒカワ石油(株) 伊東シーサイドSS 所長 土屋 博正さん

今後の課題やさらなる展望について、お聞かせいただけますでしょうか?

井上さん:弊社ではPVパネルの販売も行っているのですが、今回導入したシステム全体での取り扱いもしていきたいですね。今後、社会的には燃料の転換も進む情勢にあるので、環境に負荷をかけないEV向けの商品対応も課題になってくると思います。今回、地域の災害拠点としての機能を持つことができたので、引き続きBCPとエコの両面で地元に貢献ができるGSを目指していければと考えています。

システム構成

システム構成図