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健康経営

トップメッセージ

代表取締役社長
当社がイノベーションを起こし、新たな社会課題を解決していくためには、社員の健康が基盤であると考えます。将来にわたる従業員の健康リスク低減を目指し、従業員の心身健康保持・増進、ワークエンゲージメント向上を目的に、後述する方針を掲げて「健康経営®」を推進していきます。
※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

健康経営優良法人2024(ホワイト500)認定

健康経営優良法人 ホワイト500 ロゴ
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社は、経済産業省が日本健康会議と共同で認定を行う「健康経営優良法人2024大規模法人部門※1(ホワイト500※2)」に3年連続で認定されました。社員の生活習慣の改善や女性の健康保持・増進に向けた取り組み、ストレスチェック等のデータに基づく職場改善取り組みなどが高く評価されました。今後も、社員一人ひとりが健康で働きがいを感じられる職場づくりに向けて取り組みを進めて参ります。

  • ※1:「健康経営優良法人 大規模法人部門」とは、優良な健康経営を実践している全国の大規模法人を対象に顕彰するものです。
  • ※2:「ホワイト500」は、健康経営優良法人の大規模法人部門3,520法人中、健康経営度調査結果の上位500法人のみに付加される冠です。

目的

世界中の人々が安心・安全・快適に生活し続ける豊かな社会を創造するために、私たち自身が心身共に健康で活き活きと働くことができる企業であることを目的に「オムロングループ健康宣言」に基づき健康経営の実践に取り組んでいます。

基本方針(健康経営・安全衛生方針)

当社は、オムロンの企業理念のもと従業員の安全と健康を重要な経営資源と位置づけ、オムロングループ労働安全衛生ビジョンの実現に向けて、安全衛生文化を育み、働く人の自律的な協力を引き出すことを通じて、安心・安全・健康が保障され、生産性が高く活力のある職場環境の実現に努めていきます。

職場環境
安全で働きやすい健康的な職場を提供するため、職場のリスクを評価するとともに、従業員の健康保持・増進とワークエンゲージメントの向上につながる安全衛生目標を設定し、その達成に向け働く人の協議・参画を進めていきます。
法令順守
労働安全衛生に関する法令及びその他の要求事項を全員で順守していきます。
リスク管理
働く人の災害及び疾病を予防するため、継続的に危険源の除去と安全衛生リスクの低減に取り組んでいきます。
継続的改善
安全衛生上の課題を計画的・継続的に改善することにより、ワークエンゲージメントと安全衛生パフォーマンスを向上させていきます。
安全衛生文化
安全衛生活動を全員で理解し実践することで、社内および構内業務委託会社様など関連組織において安全衛生文化を育み、心身共に健康で、ソーシャルオートメーション事業の創造に挑む人財を育みます。

健康経営戦略マップ

健康経営の推進にあたっては、経営課題の解決につながる健康課題を「未来価値創造に向けたソーシャルオートメーションの進化を通じた会社のミッション・ビジョンの実現と社員のWellーBeingの両立」と特定し、それらを解消するための手段や具体的取り組みに落とし込むため、健康経営戦略マップを作成し、健康経営戦略を明確にすることで、取り組みの実効性を高めています。

健康経営を土台とした中長期人材戦略

体制

健康経営の取り組みを推進するため、オムロン ソーシアルソリューションズでは、社長を統括責任者とし、産業医、産業保健スタッフを含めた実行体制を構築して健康経営の実践に取り組んでいます。また健康保険組合と連携し、全社での活動を推進しています。

労働安全衛生統括責任者(社長)、中央安全衛生委員会(統括安全衛生管理者:人材開発センタ長)、産業医産業保健スタッフ、事務局、事業安全衛生委員会<->従業員[連携]健保組合

主な取り組み

1. 社員の健康増進

オムロングループでは、社員の健康増進を、疾病予防や改善にとどまらず、職場で集中力を発揮するとともに私生活も存分に楽しむ豊かな人生に直結する要素として、「運動」「睡眠」「メンタルヘルス」「食事」「タバコ(禁煙)」の5項目を、重点テーマ(社内名称「Boost5」)に定め、各項目に指標を設けています。「Boost 5」の5つの指標をより多く達成している社員ほど健康状態が良好で、ワークエンゲージメントが高い傾向を示していることから、当社では、指標ごとに目標を設定し、目達成者数の増加、3項目以上の達成者率の向上を目指しています。
目標:2024年度3項目以上の達成者率 80%

1.1 健康づくりを応援する5つの指標「Boost5」

健康づくりを応援する5つの指数:運動、タバコ、食事、メンタルヘルス、睡眠(Boost 5)

1.2 2023年度の注力取り組み

当社は「Boost 5」それぞれの指標の目標達成に向けて、年度ごとに特に注力すべきテーマを設定しています。2023年度はこれまでの「Boost 5」の達成割合が半数以下で推移している「運動」、および、前年度比較で達成割合が微減した「睡眠」に注力し、楽しみながら参加できるイベントと特別に意識をしなくても健康行動に結びつけられる環境整備の両面で「Boost 5」の取り組みを進めました。

【トップを含む経営層による健康経営推進メッセージの配信】

トップを含む経営層自らが取り組んでいる健康増進や運動習慣をリレー方式で紹介をしました。社員からは「健康経営に対する興味関心が更に高まった」「職場で運動に関する話題が増えた」「運動を身近に感じられた」という声が聞かれ、会社全体での健康経営、「Boost5」を楽しく取り組む機運が高まりました。

【健康アプリを活用した歩行活動の推進】< 運動 >

昨年度導入した健康アプリを用いて、社員が日々の歩数を記録・グラフ化でき、健康イベントにも参加可能な環境を整備し、登録率が85%に向上しました。運動習慣の推進イベントとしてウォーキングラリー「ウルトラウォーク」を2023年6~7月と10~11月の2回開催。「ウルトラウォーク」を通じて参加者それぞれが目標達成を目指して運動の習慣化に取り組むとともに、チームで楽しく歩数を競い合いながら運動習慣が身につくサポートを行った結果、271名がイベントに参加しました。

【社内看護職による運動実践イベントの開催】< 運動 >

社内の看護職が作成したオリジナルムービーを通じて、日常生活で体を動かすきっかけや今すぐチャレンジできる運動メニューを提供し、社員は各自の都合の良いタイミングでこれらの動画を視聴。社員が無理なく日常生活に運動を取り入れられるよう、動画コンテンツを活用した運動イベントを実施しました。

【睡眠セミナと睡眠改善プログラムの実施】< 睡眠 >

質の良い睡眠をとるための睡眠セミナー「学校では教えてくれない睡眠のはなし」を開催しました(参加者:66名)。睡眠セミナーでは、睡眠の知識を学ぶとともに不眠度を測定※1し、不眠症の疑いのあった方を対象に3か月間の睡眠改善プログラムを実施しました。プログラムを完遂した社員全員の不眠度が改善される結果となりました。

  • ※1:アテネ睡眠尺度を適用

1.3「Boost5」各指標の経年推移

各種イベントにより、食事、運動習慣、メンタルヘルス、3項目以上の達成者、健康経営の浸透度は前年比較で向上しました。

【各指標の推移】

2023年度の注力イベントに加え「Boost 5」健康マメ知識の情報配信やポスター掲示など、社員の行動変容につながる施策を展開し、週2回以上の運動を習慣化している社員の割合は、2022年度の42.9%から2023年度は46.1%に増加しました。睡眠については勤務時間の増加に伴い前年度比で低下しました。働き方の変化対応と併せて継続取り組みを行っていきます。

2019 2020 2021 2022 2023
食事(BMI) 63.0% 64.3% 64.5% 65.5% 69.1%
睡眠(睡眠時間) 36.4% 50.5% 55.0% 54.9% 52.5%
運動習慣 30.2% 35.0% 43.0% 42.9% 46.1%
タバコ(禁煙) 82.0% 84.6% 85.1% 85.5% 85.4%
メンタルヘルス※2 12.8% 12.6% 12.6% 75.2% 79.7%
  • ※2:2021年以前は「メンタルタフネス度 偏差値55以上」としていましたが2022年からは自身で把握や振り返りができる主観的な指標として「精神的なストレスとうまく付き合うことができている」に見直しました。

【3項目指標達成者の推移】

「Boost 5」の5項目の重点テーマのうち3項目以上の達成者は、年々増加しており2023年度は78.0%(昨年度比+2.5pt)となりました。また、健康経営の社内の浸透度は95.2%(昨年度比+7.7pt)と着実に上昇しています。

  • 「Boost 5」3項目以上の達成者グラフ
  • 健康経営の社内の浸透度グラフ

1.4 取り組みの成果

「Boost5」の活用度とパフォーマンス、ワークエンゲージメントの相関関係について分析したところ、施策を活用している従業員ほど高パフォーマンスや高ワークエンゲージメントの割合が多い傾向が示されました。

健康増進施策の活用度とパフォーマンスおよびワークエンゲージメントとの関連グラフ

2. メンタルヘルス支援

当社では、ストレスチェックに基づいた組織診断や職場ヒアリング、産業保健スタッフ等の支援による職場環境改善活動等を実施し、心身ともに健康な職場作りに取り組んでいます。2023年度のストレスチェック受診率は98.4%でした。また、セルフケアの知識普及と実践促進のため、全社員を対象にメンタルヘルスセルフケア研修を行い、2023年度の受講率は93.8%でした。また、活き活きとした職場を推進するためのきっかけづくりとして、入社1年目から3年目の社員を対象に保健師による「活き活き職場づくりセミナー」(受講率79.0%)を実施し、アンケートの結果(回答率94%)から、受講者の85%がセミナーに「参加してよかった」と満足し、79%が「今後に活かせる」と回答し、一定の効果が得られました。ラインケアでは、管理職の他リーダ層にラインケア研修を拡大し開催し、現場対応力向上を図りました。その他、ストレスチェック後の集団分析結果を各職場にフィードバックし、部門自らの課題を発見し職場環境改善アクションを行うPDCAサイクルを推進しています。社員からの個別相談は、産業医、看護職、カウンセラー等の社内の産業保健スタッフが相談対応を行うほか、すべての社員が24時間対応可能な外部カウンセリング機関を利用できる等、相談窓口を複数設置する体制を整え、メンタルヘルスケアの推進を図っています。

3. 禁煙推進

当社では2020年4月に、就業規則による就業時間内(昼休みを含む)禁煙を制度化しました。この「全社禁煙化」の開始に向けて、2019年度より段階的な環境整備に取り組みました。全社禁煙化以降も、各種媒体(メルマガ、掲示板など)による定期的な情報発信、健康保険組合と連携した禁煙支援(全社禁煙イベント「卒煙マラソン」、禁煙外来補助等)を継続して取り組み、会社全体で卒煙を応援する風土づくりを行っています。これらの継続的な取り組みにより、禁煙意識が年々高まり、2023年度には14.6%に喫煙率が低下しました。

4. 女性の健康増進

女性特有の健康課題に対するリテラシー向上や課題解決のためのセミナーを2021年度より開催し、2022年度からは女性だけでなく男性も対象として啓発を進めています。2023年度は「男女ともに知っておきたい女性の健康リスク」をテーマにe-leraningを行いました。女性が健康リスクの知識を深めて予防に努めるのはもちろんのこと、男性も女性特有の健康課題について理解・共感し適切なサポートを提供することが健康な組織につながることを学びました。
また、女性が心身共に健康で長く働ける状態をつくることを目指し、国内主要拠点で乳がん検診の実施に取り組んでいます。2023年度の乳がん検診の受診率は55%※3でした。

  • ※3:人間ドック等での受診者は除く

5. 高年齢社員の健康推進

健康行動を維持・改善し、将来にわたって健康で充実した人生を実現するため、56~59歳の社員および配偶者・パートナーを対象にオンラインでの健康セミナーを開催しました。健康の3つの側面(身体、精神、社会)について、体力テスト「Boost 5」や幸福度、ヘルスリテラシー のアンケート等、事前の自己チェック結果を集計し、セミナー時にフィードバックしながら、参加者ひとりひとりの課題と対策の具体化に取り組みました。

6. コラボヘルスの推進

健康保険組合との共同事業(コラボヘルス)を通じた病気の予防や健康づくりを積極的に進めています。定期健康診断にがん検診※4を導入し、受診率の向上を図っています。また2022年度から健診情報等を社員自身が活用して効果的な予防・健康づくりを促進するヘルスケアプラットフォームを導入し、健康行動の改善につなげているほか、健康診断やレセプトデータ、社員へのアンケート調査等の健康データの解析などにも取り組んでいます。

  • ※4:健康保険組合事業として行われる胃がんリスク検診、前立腺がん検診、大腸がん検診を特定対象年齢に対して定期健康診断の際に同時実施

7. 労働安全衛生の推進

従業員の安全と健康を確保し、働きやすい職場を提供するため、労働安全衛生活動を推進しています。主要拠点において、安全衛生委員会を毎月開催しています。会社と労働者が一体になって従業員の安全と衛生を維持し労働災害を防止することを目的に、職場巡回において現場目線で危険源の指摘・改善を行っています。また、オフィスや事業場内の安全衛生管理のみならず、事業部が進める施工管理運営における安全管理および安全教育に重点をおき、安全衛生管理体制および関連諸規定を整備し体系化することで、社員の健康管理強化と顧客に対する信頼性を高めています。生産拠点を有する野洲事業所においては、ISO45001の認証を取得しており、継続的な労働安全衛生の向上に取り組んでいます。また、安全衛生法令遵守に重点をおいた第三者評価(リーガルアセスメント)を実施し、アセスメントで確認したリスクについては、安全対策の計画、是正、改善を行いました。2024年度も引き続きリーガルアセスメントを実施し、法令遵守はもとより、安全衛生リスクおよびリスクによりもたらされる損失を未然に回避または最小化するために、リスクマネジメントに取り組みます。

【ISO45001認証拠点】
認証機関 認証番号 有効期限 認証取得日
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社 野洲事業所 JQA JQA-OH0325 2026/7/30 2020/7/31
【労働安全衛生に関する指標】
2019 2020 2021 2022 2023
労働災害件数 11件 1件 2件 1件 1件
死亡災害件数 0件 0件 0件 0件 0件

8. 健康経営各種指標の実績値

戦略マップに沿って各種指標を見える化し、前年度比改善(項目により維持)を目指して取り組んでいます。

【健康施策の取り組み状況に関する指標】
2021 2022 2023
定期健康診断受診率 100% 100% 100%
精密検査受診率 56.9% 62.8% 77.4%
特定保健指導参加率(初回面談実施者) 100% 96.1%
特定保健指導完走率 63.0% 55.2%
ストレスチェック受検率 95.9% 98.7% 98.4%
メンタルヘルス セルフケア研修受講率 98.9% 95.9% 93.8%
メンタルヘルス ラインケア研修受講率 89.0% 94.6% 92.2%
女性の健康課題に関する施策への参加状況 11.5% 8.0%
健康施策の満足度 86.2%
平均月間総実労働時間 149H 151H 163H
平均月間所定外労働時間 18H 20H 20H
平均年次有給休暇取得率 61.3% 68.1% 72.3%
平均年次有給休暇取得日数 14.8日 17.8日 17.4日
【健康関連の最終的な目標指標】
2021 2022 2023
パフォーマンス(プレゼンティーイズム)※5 68.5 68.0 63.2
アブセンティーイズム※6 98.2※7
ワークエンゲージメント(偏差値)※8 51.8 51.8 52.3
高エンゲージメント者率※9 12.7% 13.3% 15.4%
高ストレス者割合 5.4% 5.5% 6.8%
企業理念・ビジョンへの共感(偏差値) 53.3 52.6 52.4
心理的安全性の向上(偏差値) 50.5 50.5 50.6
  • ※5:WHO-HPQにて測定。実績値は絶対的プレゼンティーズム(0~100点)の全従業員平均(2023年度 回答数:813名 回答率:98.4%)
  • ※6:2023年度は選択肢変更により、数値は参考値とする
  • ※7:健康問題による1ヶ月以上の欠勤・休業がなかった社員の割合と定義(2023年度 測定人数:868名)
  • ※8:ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度と相関の高い8項目を用いたストレスチェック委託先によるオリジナルの尺度にて測定。50を平均として値が高いほど、ワークエンゲージメントが高い状態(2023年度 回答数:813名 回答率:98.4%)
  • ※9:ワークエンゲージメントの偏差値が60以上の回答者の割合(2023年度 回答数:813名 回答率:98.4%)

9. 取引先への健康経営の支援

ケガや疾病のない安心・安全な職場環境の提供をすることを目的として、構内業務委託先と「協力企業連絡会」を四半期ごとに開催しています。健康経営の支援として取引先との意見交換などを通じてノウハウを提供しています。また、構内業務委託社員が健康増進イベントなどに参加や健康増進機器を利用できるようにし、取引先への健康経営の支援をしています。