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沿革

社会システム事業の50年の歴史を紹介します。

会社沿革

1963年 百貨店に食券自動販売機を納入
1964年 世界初の電子式自動感応信号機を開発・納入
1966年 定期券自動改札機を開発
銀座に広域交通制御システム設置(面の制御)
1967年 阪急電鉄北千里駅で世界で初めての「無人駅システム」を実現
1969年 日本初のオフラインキャッシュディスペンサーを都市銀行に納入
日本初の大規模高速道路交通管制システム稼働
1971年 都市銀行にオンラインキャッシュディスペンサー納入
1973年 全国で最大規模の交通管制システム完成
1974年 オンライン現金自動預金機開発
1978年 ATM(現金自動預金支払機)を納入
1984年 海外向け高速道路交通管制システム稼働
1986年 日本国有鉄道にカード式自動券売機を納入
1991年 ストアードフェアシステムの運用開始
2001年 非接触ICカードシステム“Suica”正式運用開始
2004年 ATM事業を日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社に移管
2007年 関東、関西でのICカード相互利用システム全面運用開始
鉄道自動改札システムが世界的権威のIEEEマイルストーンに認定
2011年 オムロンから分社、オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社創業
2013年 全国ICカード相互利用開始
2014年 環境・エネルギー実証施設「ヒューテック環境ラボ」をオープン
交通系ICカードの全国相互利用に関する「システム検証センタ」を開設
2015年 QR乗車券とICカード乗車券が併用可能な自動改札機システムの運用を北九州モノレール全線で開始
2017年 オムロン ソフトウェア㈱から監視サービスソリューション事業、決済ソリューション事業を譲受
京都府宮津市と「再生可能エネルギー地産地消とまちの活性化」に関する包括連携協定締結
2018年 ドライバーの安全運転管理サービス(DriveKarte®)提供開始
ホテル業界のオートメーション事業に参入、セルフチェックイン端末(スマーレ®)発売開始
オムロン㈱よりUPS事業を移管
2019年 京都府舞鶴市と地方都市の課題解決へ向け連携協定締結
2020年 オムロン㈱より環境事業を統合

1963 サイバーネーションへの第一歩

自動券売機の開発

1963(昭和38)年、東京国際見本市のアメリカ館が、自動券売機と紙幣硬貨両替機を大々的に展示するという情報を入手します。
これを受けてオムロンは、先進国アメリカを凌駕する自動券売機と両替機を開発し、出展することを決定しました。研究所の総力を結集して昼夜兼行の1ヵ月の後に、画期的な自動販売機と両替機を開発し、国際見本市での実演に成功したのです。自動券売機は121種の食券を販売出来るもので、ニセ硬貨の選別、放出とともに警報を出す機能まで備えました。その後、7種類の食券を100円、50円、10円の硬貨で買えて、つり銭の出る世界初の多能式自動食券販売機を開発し、大丸百貨店京都店で実稼働に入ります。このことは、従来の商品購入のあり方を大きく変えるものであり、サイバーネーション革命の第一歩となりました。

百貨店に設置された多能式自動食券販売機(1963年)

百貨店に設置された
多能式自動食券販売機(1963年)

1964 モータリゼーションへの対応

電子自動交通信号機の開発

1960年代、経済の発展とともに自動車の交通量が増大し、交通事故の防止と混雑の緩和、いわゆる交通制御が大きなニーズとなっていました。 オムロンは科学警察研究所から「車両検知機」の開発依頼を受け、それまで蓄えていた無接点近接スイッチ技術と電子制御技術を活用した「車両検知機および信号制御システム」を開発。1964(昭和39)年4月に全感応式電子交通信号機として京都市河原町通三条交差点で実験、同年6月に世界初の電子自動交通信号機を東京九段三丁目交差点に設置しました。その後、信号機制御の役割と制御の範囲をつぎつぎに拡大、進化させることで、交通渋滞の緩和に大きく貢献し、今日の交通管制システムの基礎をつくりました。

京都市河原町通三条に設置された全感応式電子交通信号機

京都市河原町通三条に設置された全感応式
電子交通信号機
河原町交差点での実験は
1964年4月12日から6日間にわたった。

京都の交通信号機設置を伝える新聞ニュース

京都の交通信号機設置を
伝える新聞ニュース
(1964年4月7日-京都新聞)

東京九段三丁目交差点に設置された全感応式電子交通信号機ボックス(1964年)

東京九段三丁目交差点に設置された
全感応式電子交通信号機ボックス(1964年)

1967 無人駅システムの実現

自動改札機の開発

1960年代中頃から、社会のさまざまな分野において自動化、省力化への期待はますます大きくなっていきます。また、都市においては通勤ラッシュの解消が大きな問題になっていました。オムロンは、こうした二つの社会ニーズに対応するため、新しい鉄道駅のあり方に目を向けます。 当社は1964(昭和39)年から近畿日本鉄道と共同で、定期乗車券自動改札装置の開発に着手。1966年1月に試作機を完成し実用試験に入ります。 その後、阪急電鉄が新設を計画していた北千里駅(千里線)で、定期乗車券と普通乗車切符の両用自動改札機の導入に挑戦します。研究開発-試作機実験-調整を繰り返し、ついに大阪万博3年前の1967年に開発に成功、本格稼働しました。乗車券販売機、定期券穿孔機、紙幣両替機、自動改札機をラインナップした世界初の無人駅システムが実現したのです。

世界最初の無人駅システム(阪急北千里駅)

世界最初の無人駅システム(阪急北千里駅)

国鉄(現・JR西日本)神戸駅に

国鉄(現・JR西日本)神戸駅に
設置された多区間電子自動券売機

1971 キャッシュレス時代の幕開け

現金自動支払機の開発

1965(昭和40)年、オムロンは、当時世界最大の自動販売機メーカーであったオートマティック・キャンティーン社(米)の要請で、クレジットカード用自動販売機の共同開発に着手し、6ヵ月後、世界初のカード式自動食品販売機を開発しました。 その後、当社は引き続き「カードシステム」の開発に取り組み、1969年には磁気カードによる「オフライン・キャッシュ・ディスペンサー(現金自動支払機)が住友銀行で稼働。1971年には、三菱銀行本店に世界で初めての「オンライン・キャッシュ・ディスペンサー」を納入し稼働させました。これらの取り組みは銀行窓口の合理化のみならず、現代社会の磁気カードシステムの基礎となり「キャッシュレス時代」が幕を開けたのです。

アメリカに納入した現金自動貸付機(1969年) Money Machineと名付けられた。

アメリカに納入した現金自動貸付機(1969年)
Money Machineと名付けられた。

住友銀行と共同開発した現金自動支払機

住友銀行と共同開発した
現金自動支払機

カード式コンピュータ・ローンマシーン

カード式コンピュータ・ローンマシーン
1966年に日本クレジット・カードセンター
の依頼で開発され、同年7月、同社の
東銀座店で稼働した。

2007 IEEEマイルストーン

鉄道自動改札システムが権威ある『IEEE マイルストーン』に認定

IEEEとは、アメリカに本拠を置く世界最大の技術者団体The Institute of Electrical and Electronics Engineers(電気電子技術者協会)。その権威ある団体が、電気・電子技術分野における歴史的な偉業をたたえる賞がIEEEマイルストーンです。25年以上に渡って世の中で高く評価を受けてきたという実績が評価され、2007年「鉄道自動改札機システム」が、大阪大学・近畿日本鉄道株式会社・オムロン株式会社・阪急電鉄株式会社の4者により受賞。自動改札機の基本的な機能である定期券を高速で処理する判定理論の研究から、現在の鉄道駅においても多数利用されている磁気式の乗車券・定期券併用自動改札機の実用化に至る4者の革新的な取り組みが高く評価されたことによるものです。

「IEEEマイルストーン」銘板

「IEEE マイルストーン」銘板

阪急・北千里駅に設置された自動改札装置

阪急・北千里駅に設置された自動改札装置