系統連系技術要件の改正内容に対するオムロンの対応について
For rules grid code
更新日:2023/09/21
2020年9月より再生可能エネルギー導入拡大のために必要となるグリッドコードの検討が行われています。これに伴い、系統連系技術要件の改正などの技術要件の改正が順次行われてきます。系統連系技術要件の改正内容に対する当社の対応についてご案内させていただきます。
1.出力制御ルールへのオムロンの対応について
出力制御に関する内容については、“省令改正(出力制御ルール)へのオムロンの対応について”のページでご案内しております。下記のリンク先をご覧ください。
2.電力品質に関する対応策の準備について
再エネの導入拡大に向けて、系統連系技術要件などの各種規定が順次改正されます。各規定に対する当社の対応について下記よりご確認ください。
2.1 並列時許容周波数
並列時許容周波数とは、運転開始時に判定する系統周波数の上限値をいいます。(規定の詳細や要件については下記参考リンクよりご確認下さい)
分散型電源が、系統周波数が上昇中に連系を開始しないために、発電を開始するタイミングで、パワーコンディショナが系統の周波数が設定された値以下(適正範囲内)であることを確認して発電を開始する機能の追加が必要となります。
これは、一般送配電業者の系統連系技術要件(託送供給等約款別冊)により、2025年4月より連系する発電機器に対応が求められる方向性となっています。このため、現在弊社で生産中の製品は、対応製品への順次切替を行っていきます。
発電設備の並列時許容周波数の要件についてはこちら
- 電力広域的運営推進機関のウェブサイト
- https://www.occto.or.jp/iinkai/gridcode/2021/files/gridcode_05_06.pdf
- ㈳日本電機工業会の「PCSの標準的仕様について」
- https://www.jema-net.or.jp/Japanese/res/dispersed/data/pcs_standard_specification.pdf
並列時許容周波数に対応した製品一覧(パワーコンディショナ)
※表は横にスクロールさせると全体をご覧いただけます。
区分 | シリーズ | 形式 |
---|---|---|
単相用 | KPK | 対応予定 |
KPR | 対応予定 | |
KPW | KPW-A48-J4 KPW-A55-J4 / KPW-A55-SJ4 |
|
KPW-A55-2PJ4/KPW-A55-2J4 KPW-A55-2SPJ4/KPW-A55-2SJ4 KPW-A55-2PJ4-M/KPW-A55-2J4-M KPW-A55-2SPJ4-M/KPW-A55-2SJ4-M |
||
KPV | KPV-A55-J4 / KPV-A55-SJ4 | |
マルチ蓄電 プラットフォーム |
KPBP | 対応予定 |
2.2 電圧フリッカに対する対策
電圧フリッカとは、電線路の電圧が繰返し変化する事象です。分散型電源の導入状況により系統が安定せず、電圧フリッカが発生し、照明がチラつくなどの事例が出ています。
このため、日本電機工業会でパワーコンディショナを対象とした対策方法が標準化されました。2023年時点での最新の対策は、「フリッカ対策STEP3.2」と呼ばれています。現在弊社で生産中の製品は、フリッカ対策STEP3.2対応製品へと順次切替を行っていきます。
電圧フリッカの防止に関する情報についてはこちら
- 電力広域的運営推進機関のウェブサイト
- https://www.occto.or.jp/iinkai/gridcode/2021/files/gridcode_06_09.pdf
- ㈳日本電機工業会の「PCSの標準的仕様について」
- https://www.jema-net.or.jp/Japanese/res/dispersed/data/pcs_standard_specification.pdf
- 九州電力送配電の「電圧フリッカとは」
- https://www.kyuden.co.jp/td_supply_voltage-fluctuation_170407-flicker.html
- 東京電力パワーグリッドの「電圧フリッカ抑制のための対策について」
- https://www.tepco.co.jp/pg/electricity-supply/operation/distribution/flicker.html
3.修理や保守品に対するオムロンの対応について
2018年9月の北海道胆振東部地震において、風力発電設備のほぼ全てが地震発生直後に周波数低下リレーの動作により停止しました。再エネの導入拡大によって、このような事象の防止は、大規模停電を防止するために必要となります。このため、国の審議会で対応方針が示され、これを受けて、電力広域的運営推進機関や一般送配電事業者からも、定期点検や機器リプレース時の機会にUFRの整定値変更のお願いが発表されています。
また、低圧受電の契約設備については、一般送配電事業者から標準値が提示されています。これに伴い、弊社での修理品の初期設定値をUFRについて変更をしていきます。
低圧受電契約の修理後の標準整定値一覧(パワーコンディショナ)
※表は横にスクロールさせると全体をご覧いただけます。
保護リレー等名称 | 低圧受電用の修理後の整定値 |
---|---|
交流過電圧(OVR) | 既設設備の整定値 |
交流不足電圧(UVR) | |
周波数上昇(OFR) | 既設設備の整定値(沖縄電力以外) 61.8Hz(沖縄電力) |
周波数低下(UFR) |
検出レベル:47.5Hz/57.0Hz 検出時限 :2.0秒(中部電力以外) 0.5秒(中部電力) |
復電後一定時間の遮断装置投入阻止 | 既設設備の整定値 |
電圧上昇抑制機能 | |
指定力率 | 0.95 逆潮流無しのPCSについては、既設設備の整定値 |
高圧受電契約の修理後の標準整定値一覧(パワーコンディショナ)
※表は横にスクロールさせると全体をご覧いただけます。
保護リレー等名称 | 低圧受電用の修理後の整定値 |
---|---|
交流過電圧(OVR) | 既設設備の整定値 |
交流不足電圧(UVR) | |
周波数上昇(OFR) | |
周波数低下(UFR) |
検出レベル:47.5Hz/57.0Hz 検出時限 :既設設備の整定値 |
復電後一定時間の遮断装置投入阻止 | 既設設備の整定値 |
電圧上昇抑制機能 | |
指定力率 |
- 電力広域的運営推進機関の「発電事業者の皆さまへ 既連系発電設備における周波数低下リレー(UFR)の整定値変更のお願い」
- https://www.occto.or.jp/oshirase/sonotaoshirase/2019/190426_hatudensetubi_ufr_onegai.html
4.製品のソフトウェア管理番号と対応機能・JET認証書の関係について
製品の出荷段階でのソフトウェア管理番号と機能の有無、対象となる製造番号について、お知らせします。弊社から出荷後にソフトウェアが変更されている場合は、製造番号や開発記号と対象の製造番号が一致しません。ソフトウェア管理番号から対象機能の有無、利用するJET認証書をご確認ください。(製品の修理後には、ソフトウェアが更新されている場合がありますので、ソフトウェア管理番号をご確認ください。)
対応機種一覧
※表は横にスクロールさせると全体をご覧いただけます。
形式 | JET認証書番号 | 認証書日付 | ソフトウェア 管理番号 |
追加機能 | 開発記号 | 製造番号 | |
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並列時 許容周波数 |
フリッカ対応 | ||||||
KPV-A55-J4 / KPV-A55-SJ4 | MP-0152 | 2018年2月14日 | Ver.1.00 | 非対応 | STEP3.0 | VA | 18200001以降 |
2019年1月18日 | Ver.1.01 | 19340739以降 | |||||
2019年12月6日 | Ver.1.02 | VB | 19Z90803以降 | ||||
2021年6月4日 | Ver.1.03 | STEP3.1 | VC/VD | 21775407以降 | |||
2023年1月27日 | Ver.1.04 | 対応 | STEP3.2 | 23434017以降 | |||
2023年5月31日 | Ver.1.05 | VE | 23600001以降 | ||||
KPW-A55-J4 / KPW-A55-SJ4 KPW-A55-2PJ4 / KPW-A55-2J4 KPW-A55-2SPJ4 / KPW-A55-2SJ4 KPW-A55-2PJ4-M / KPW-A55-2J4-M KPW-A55-2SPJ4-M / KPW-A55-2SJ4-M |
MP-0151 | 2018年2月14日 | Ver.1.00 | 非対応 | STEP3.0 | VA | 19400001以降 |
2020年1月22日 | Ver.1.01 | 20X08563以降 | |||||
2021年1月22日 | Ver.1.02 | STEP3.1(3Hz対応) | VB | 21410067以降 | |||
2022年3月25日 | Ver.1.03 | VC | 22616643以降 | ||||
2023年1月27日 | Ver.1.04 | 対応 | STEP3.2 | VD | 23217379以降 | ||
2023年5月31日 | Ver.1.05 | VE | 23600001以降 | ||||
KPW-A48-J4 | MP-0155 | 2018年5月10日 | Ver.1.00 | 非対応 | STEP3.0 | VA | 19500001以降 |
2020年2月21日 | Ver.1.01 | 20X03653以降 | |||||
2021年1月22日 | Ver.1.02 | STEP3.1(3Hz対応) | VB/VC/VD | 21303829以降 | |||
2022年3月25日 | Ver.1.03 | 22606662以降 | |||||
2023年1月27日 | Ver.1.04 | 対応 | STEP3.2 | 23306710以降 | |||
2023年5月31日 | Ver.1.05 | VE | 23600001以降 |
5.JET認証書及びソフトウェアの更新について
JET認証書及びソフトウェアの更新については、対象の製品ページよりダウンロート可能です。下記よりご確認下さい。(対象の製品ページ>資料ダウンロード)
JET認証書及びソフトウェアの更新について_ダウンロート先一覧
※表は横にスクロールさせると全体をご覧いただけます。
シリーズ | 形式 | リンク先 |
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KPV | KPV-A55-J4 / KPV-A55-SJ4 | 資料ダウンロードページへ |
KPW | KPW-A48-J4 / KPW-A55-J4 / KPW-A55-SJ4 | 資料ダウンロードページへ |
KPW-A55-2PJ4 / KPW-A55-2J4 / KPW-A55-2SPJ4 / KPW-A55-2SJ4 KPW-A55-2PJ4-M / KPW-A55-2J4-M / KPW-A55-2SPJ4-M / KPW-A55-2SJ4-M |
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