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出力制御とは?【2025年最新版】見通しや仕組み、電力会社毎の状況・補償ルールまで解説

2025.11.01
お役立ち情報

出力制御の対象は全国に広がっており、2023年度には約18億kWhもの電力量が制御されました。2024年度は21.2億kWh、2025年度も20億kWhを超える見通しで、高い水準が今後も続くと予想されています。本記事では、出力制御の仕組みや補償のルールに加え、2025年度以降の動向や今後の課題についても詳しく解説します。現状を正しく把握し、出力制御への不安を軽減して、より安心して事業運営を行えるよう参考にしてください。

目次

出力制御とは

出力制御とは、電力の需給バランスを保つために発電設備が発電量を意図的に抑制する措置であり、「出力抑制」とも呼ばれます。主に発電量が需要を上回る場合に、電力系統の安定を維持するために出力制御が行われます。近年は再生可能エネルギーの導入が進み、とくに太陽光発電や風力発電のような天候によって出力が大きく変動する電源が増えたことで、需要を超える発電量が発生しやすくなり、出力制御の必要性が急速に高まっています。

出力制御が実施されると、発電事業者は発電した電力を全て売電できず、売電収入が減少するリスクが発生します。実際、2023年度には全国で約18億kWhもの発電量が出力制御によって制限されました。当初は九州地方の一部で限定的に行われていましたが、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、2022年度以降は全国的に対象地域が広がっています。さらに、2025年度には東京電力エリアも加わる予定で、全国すべての電力会社が出力制御を実施する見込みです。

出典元)再生可能エネルギーの出力制御の 抑制に向けた取組等について

需給バランスを保つ必要があるのはなぜ?

電力の需給バランスを保つことは、電力システムの安定性を維持する上で極めて重要です。電気は大量に貯蔵することが難しいため、発電量と需要を常に一致させる必要があります。発電量が需要を上回って余剰が発生すると、電力系統内の電圧や周波数が許容範囲を超えて大きく変動し、送配電設備や接続されている電子機器の故障や自動停止などの不具合につながる可能性があります。その結果、社会インフラや重要設備が停止し、広範囲な停電が発生するリスクも高くなります。このような事態を防ぎ、安定した電力供給体制を維持するためにも、電力の需給バランス管理は不可欠です。

余剰電力はなぜ発生する?

電力は常に「発電した分だけ消費」される必要があり、発電量が消費量(需要)を上回ると余剰電力が発生します。従来の火力発電所などの発電方式は、需要予測や電力の使用状況に応じて比較的容易に出力調整ができるため、供給量と需要量のバランスを保ちやすいという特徴があります。しかし近年、CO2削減や環境配慮の観点から、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの導入が急速に進んでいます。これらの再生可能エネルギーによる発電は、天候や気象条件に大きく左右されるため、発電量のきめ細やかな制御が難しいという特性があります。

例えば、晴天日が多い春や秋は気温が穏やかで冷暖房の使用が減少し、さらにゴールデンウィークなどの大型連休中は企業や工場の稼働率が低下するため、電力需要がさらに下がります。その結果、太陽光発電が好条件下で大量に発電すると、供給が需要を大きく上回り、余剰電力が発生してしまいます。このように需要が少なく供給が過剰となる時期には、電力の安定供給を維持するために「出力制御」が必要となります。

出力制御の優先順位

出力制御とは、電力需給バランスを維持し、電力系統の安定を図るために発電量を段階的かつ計画的に調整する制度です。出力制御の実施にあたっては「優先給電ルール」と呼ばれる指針に基づき、あらかじめ電源ごとに明確な優先順位が設定されています。この優先順位は、各発電方式の出力調整のしやすさや運転コスト、供給安定性、技術的特性などを総合的に考慮して決められています。

優先順位 対象
1 火力(石油、ガス、石炭)の出力制御、揚水・蓄電池の活用
2 他地域への送電(連系線)
3 バイオマスの出力制御
4 太陽光、風力の出力制御
5 長期固定電源(水力、原子力、地熱)の出力制御

まず、火力発電(石油、ガス、石炭)の出力が抑制され、次いで揚水発電や蓄電池の活用(揚水運転や充電)が優先して実施されます。その後、地域間連系線を通じて余剰電力を他地域へ送電し、続いてバイオマス発電の出力が調整されます。

それでも需給が合わない場合には、太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーの出力が制御されます。最終手段として、水力発電、原子力発電、地熱発電など長期固定電源の出力が抑制されますが、これらは技術的制約が多いため、特に慎重に対応されています。このような段階的な出力制御の運用によって、電力需給のバランスが的確に調整され、電力システム全体の安定が保たれています。

出力制御の種類

出力制御の種類

出力制御には2つの種類があります。それぞれについて詳しく説明します。

需給バランス制約による出力制御

需給バランス制約による出力制御は、電力の需要、すなわち消費量を発電量が上回って余剰電力が発生した場合に、その余分な電気を抑制するために実施される措置です。安定した電力供給を維持するためには、発電量と消費量を常に一致させることが不可欠です。通常、需給バランスの調整は、火力発電所など調整可能な発電設備の出力調整や、他エリアへの電力融通(連系線の活用)によって行われています。

しかし、近年では再生可能エネルギーの導入拡大により、特に昼間や春・秋といった電力需要が低い時間帯や季節にはバランス調整が難しくなるケースが増えています。このような場合、まず火力発電の出力制御やエリア間の電力融通が優先的に行われ、それでもなお発電量が消費量を上回る場合には、最終的に再生可能エネルギー発電の出力制御(抑制)が実施されます。これらの段階的な対応によって、全体の電力需給の安定化が図られているのが、需給バランス制約による出力制御の実際の運用です。

送電容量制約による出力制御

送電線や変圧器には、送ることができる電力の上限、すなわち「送電容量」が設定されています。このため、送電容量を上回る電源や需要が接続されている場合、特定の時間帯や日によって送電容量が不足し、設備の上限を超過する恐れがあります。

こうした場合、送電設備の安全を守り、電力インフラの安定稼働と保護を確保するために、発電所などが供給する電力の出力を一時的に抑制・調整する必要があります。このように、送電設備ごとの容量を基準として発電出力を制御する方法を「送電容量制約による出力制御」と呼びます。

出力制御の要請への対応義務

出力制御の要請への対応義務

事業者の立場としては、出力制御に応じることで売電量が減少し、その結果として収益が減るため、できれば出力制御には従いたくないと考える方も少なくありません。しかしながら、発電事業者は、電力会社などから出力制御の要請があった場合は、必ず従う必要がある点に注意が必要です。この義務は再生可能エネルギー特別措置法(再エネ特措法)によって明確に規定されており、すべての発電事業者が対象となります。

特にFIT制度(固定価格買取制度)の認定を受けた発電事業者は、出力制御の指示に従うことが制度利用の前提条件となっています。出力制御によって発電量や売電収入が実際に減少した場合でも、法律上の義務であるため、迅速かつ適切に対応する必要があります。なお、この義務に違反した場合は、発電設備の認定取消しやその他の厳しい行政処分を受ける可能性があるため、十分な注意が必要です。

FIT中期以降の選択肢と出口戦略を見る

出力制御の補填ルール

出力制御の補填ルール

出力制御の実施は発電事業者に経済的な影響を及ぼすため、法令により3つの補填ルールが設けられています。これらの補填ルールは、事業者への経済的負担を軽減することを目的に導入されており、発電所の運転開始時期や契約形態、制度改正のタイミング、契約している電力会社等によって適用条件が異なります。

特に、電力会社ごとに異なる点にご注意ください。ここでは、代表的な3つの補填ルールについて概要を解説します。なお、電力会社ごとの詳細は後半「補償ルールの詳細【電力会社毎】」でご紹介します。

旧ルール(30日ルール)

旧ルール(いわゆる「30日ルール」)は、2015年1月25日までに系統接続を申請した発電事業者を対象とする出力制御の補償制度です。このルールでは、年間30日までは出力制御が行われても補償は受けられませんが、31日目以降の出力制御については売電収入が補填される仕組みとなっています。

新ルール(360時間ルール)

360時間ルールとは、2015年1月26日以降に系統接続を申し込んだ太陽光発電設備に適用される新しい出力制御補償ルールです。従来の「30日ルール」に代わって導入されました。出力制御の補償基準が日単位の管理から時間単位の管理へと変更された点が特徴です。具体的には、出力制御の累計時間が年間360時間を超えた場合、その超過分について売電収入の補償が受けられる仕組みとなっています。

時間単位での管理となったことで、太陽光発電事業者は運用面での柔軟性が高まり、系統への接続可能容量の拡大も期待されています。この新ルールにより、発電事業者は安定した収益確保と同時に、電力システム全体の需給バランス維持にも貢献できるようになりました。

無制限無補償ルール(無期限・無補償)

無制限無補償ルールとは、出力制御の対象となった場合でも、一切の補償を受けられない制度です。再生可能エネルギーの導入拡大を背景に、全国の指定電気事業者においてはこの無補償ルールへの移行が進んでいます。2021年4月以降は東京電力、中部電力、関西電力など、全国各地のエリアで導入されています。

現在、すべての新規系統接続発電所は原則としてこのルールの適用対象です。そのため、出力制御が長期間または繰り返し実施されても、売電収入に対する補償はありません。新たに発電事業を始める際には、出力制御による収入減少リスクや事業への影響を十分に把握し、制度の内容を事前に確認した上で、事業計画に反映させることが重要です。

2025年度の出力制御量の見通し

2025年度の出力制御量の見通し

2023年度には全国9電力会社で出力制御が実施され、その制御量は前年の約3.3倍となる18.8億kWhに達しました。これは、電力供給の現場で大きな変化が生じていることを示しています。2024年度には出力制御量のさらなる増加が見込まれていましたが、当初予測の24.2億kWhから21.2億kWhへと下方修正されました。修正の主な要因は、日射量の減少や、系統増強・需給調整などの対策が効果を発揮したことによるものです。

しかし、依然として出力制御量は増加傾向が続いています。2025年度については、2024年度よりやや減少するものの、20億kWh以上と高水準が見込まれています。こうした推移からも、出力制御は高止まりの状態が続いており、再生可能エネルギーの更なる普及や電力供給の安定化に向けて、今後も継続的な対策強化と運用見直しが求められています。

出典元)再生可能エネルギーの出力制御に関する 短期見通し等について(資源エネルギー庁 2025年1月23日発表)

電力会社毎の出力制御率

2025年度における、電力会社毎の出力制御率の見通しは、以下の通りです。九州電力の出力制御率が6.1%と他社に比べて高い水準に達する見込みであり、また中国、四国、東北、北陸の各社でも2%を超える水準が想定されています。

電力会社 出力制御率
北海道 0.3%
東北 2.2%
東京 0.009%
中部 0.4%
北陸 2.1%
関西 0.4%
中国 2.8%
四国 2.4%
九州 6.1%
沖縄 0.2%

出典元)再生可能エネルギーの出力制御に関する 短期見通し等について

出力制御率のこれまでの推移【電力会社毎】

出力制御率のこれまでの推移【電力会社毎】

電力会社毎に、これまでの出力制御率の推移をみていきましょう。

出典元)再生可能エネルギーの出力制御に関する 短期見通し等について
出典元)再生可能エネルギー出力制御の 長期見通し等について

※表は横にスクロールさせると全体をご覧いただけます。

年度 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄
2018年度 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.90% 0.00%
2019年度 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 4.00% 0.00%
2020年度 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 2.90% 0.00%
2021年度 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 3.90% 0.00%
2022年度 0.04% 0.45% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.45% 0.41% 3.00% 0.08%
2023年度 0.01% 0.82% 0.00% 0.20% 0.56% 0.10% 3.60% 1.80% 8.30% 0.27%
2024年度
(見込み)
0.04% 2.10% 0.00% 0.40% 1.00% 1.70% 3.80% 4.00% 6.20% 0.10%
2025年度
(見込み)
0.30% 2.20% 0.01% 0.40% 2.10% 0.40% 2.80% 2.40% 6.10% 0.20%

出力制御が増加している背景

出力制御が増加している背景

出力制御量が増加している背景について、詳しく解説します。

再エネ導入量の増加

出力制御が増加している主な要因は、再生可能エネルギー(再エネ)の導入拡大にあります。背景には、東日本大震災による原子力発電所事故や、2020年のカーボンニュートラル宣言などがあります。これらを契機にCO2削減への社会的要請が一層強まったことから、太陽光発電や風力発電といった再エネの導入が急速に進みました。加えて、2018年以降の円安や化石燃料価格の高騰、そして2020年以降の電気料金上昇も、再生可能エネルギー導入を後押ししています。

政府は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、電源構成における再生可能エネルギー比率を2030年度に36~38%まで引き上げる方針を示しています。2021年に策定された第6次エネルギー基本計画でも、2030年度のエネルギーミックスにおいて再生可能エネルギー比率36~38%、温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減するという目標が掲げられました。これらの政策や経済状況を背景に、今後も送配電ネットワークへの再エネ新規接続が進む見通しです。

このような再エネ拡大の影響で、特に春や秋など電力需要が低い時期には、発電量が需要を上回るケースが増えています。そのため、電力系統の安定運用と需給バランス維持のために出力制御は常態化しており、この傾向は今後も続く見込みです。

電気料金高騰による節電

電気料金の高騰が続く中、家庭や企業では節電意識が一段と高まっています。その背景には、円安や国際情勢の影響による燃料価格や発電コストの上昇があり、多くの需要家が電気代を抑えるために消費電力の削減に積極的に取り組むようになっています。これにより電力の消費量が減少し、発電量が需要を上回る供給過剰となるケースが従来よりも多く見られるようになりました。

このように需給バランスが崩れる場面では、バランス維持のために発電設備の出力を抑制する出力制御が実施されます。その結果、余剰電力を調整する目的で出力制御の実施頻度や規模が年々拡大しており、電力システム全体の運用上の重要な課題となっています。

他地域への送電量の減少

太陽光発電の出力制御量が増加している背景には、「他地域への送電(連系線)」を活用した需給調整が難しくなっている現状や、送電量の調整手段に限界がある点が挙げられます。見出し「出力制御の優先順位」でお伝えした通り、出力制御ではまず火力発電の出力制御が行われ、その後、連系線を使って自地域の余剰電力を他地域へ送電するなど、優先順位に基づいて対応が行われています。

しかし、送り先となる地域でも再生可能エネルギーの発電量が増加し、需給調整の余力が不足している場合、こうした連系線による調整が十分に機能しなくなります。近年は全国的に再生可能エネルギーの普及が進み、九州電力をはじめ複数の地域で同時期に出力制御が実施されるケースが増加しています。その結果、各地域で余剰電力を吸収できる余地が限られてしまい、最終的に太陽光や風力など再生可能エネルギーの出力制御量が拡大するという課題が顕在化しています。

「再エネ導入量」のこれまでの推移【エリア毎】

「再エネ導入量」のこれまでの推移【エリア毎】

再生可能エネルギー(再エネ)の導入量は、出力制御が増加する主な要因の一つであり、非常に重要な指標です。導入量は主に太陽光発電と風力発電の合計で把握されます。再エネが電力システムに及ぼす影響を考える際には、最小需要との関係が特に重要です。最小需要とは、4月下旬から5月上旬の休日など、電力需要が最も少ない時期のうち、再エネ比率が最も高くなる日の需要電力量を指します(沖縄エリアは3月が該当)。

この時期は電力需要が小さい一方で、再エネの発電量が多くなり、需給バランスの管理が難しくなります。各電力会社は再エネ導入量と最小需要の関係を分析し、安定した電力供給に向けて様々な対策を講じています。こうした取り組みがエリアごとの出力制御の状況に大きく影響しています。エリア毎にこれまでの推移をみていきましょう。(各エリアの2024年度数値は、9月末時点の実績となります。 )

出典元)再生可能エネルギーの出力制御に関する 短期見通し等について

北海道エリア

北海道エリア

東北エリア

東北エリア

東京エリア

東京エリア

中部エリア

中部エリア

北陸エリア

北陸エリア

関西エリア

関西エリア

中国エリア

中国エリア

四国エリア

四国エリア

九州エリア

九州エリア

沖縄エリア

沖縄エリア

出力制御への対策

出力制御への対策

ここからは、出力制御への対策について、詳しく解説していきます。

オンライン制御への対応

オンライン制御への対応が重要視されています。オンライン制御は、発電設備に専用機器を設置することで、電力会社が電力需給の状況に応じて遠隔で発電量を調整できる仕組みです。従来のオフライン制御では、手動による操作や一定間隔ごとの調整が必要でしたが、オンライン制御の導入により、30分単位でリアルタイムに出力調整が可能となり、より柔軟かつ迅速な対応が実現しています。これにより、必要な出力制御量が削減され、再生可能エネルギーの有効活用や電力の安定供給に大きく貢献しています。

太陽光発電設備にも2022年4月からオンライン制御が導入されました。結果として、九州エリアなどでは制御量がおよそ2割減少し、発電事業者は売電可能量や収益の増加といったメリットを享受しています。また、同年4月以降、「360時間ルール」や「無制限・無補償ルール」などの新たな制度が導入され、対象設備にはオンライン制御機器の設置が義務付けられています。再エネ拡大に伴う需給調整を円滑にする、発電側・系統側の双方にとって効果的な対策の一つです。

蓄電池の活用

蓄電池の導入が注目されています。蓄電池を導入して余剰電力を一時的に蓄えておくことで、需要が高まる夕方や夜間に放電・利用することが可能となり、出力制御の頻度を抑制する効果が期待できます。これにより、再エネの有効活用につながると同時に、自家消費型の運用を優先することで売電収入への依存度を下げ、家庭や事業所の電力利用効率向上や電気料金の削減にも寄与します。

また、蓄電池は停電時の非常用電源としても活用できので、エネルギーレジリエンスの強化にも貢献します。とりわけ系統用蓄電池は応答速度が速く、電力需給バランスの調整手段として非常に有効です。再エネ比率拡大による系統安定化策として導入が進んでいます。さらに、近年は補助金・助成制度の拡充によって導入コストが下がり、市場での取引や各種サービスへの参加も広がってきています。事業者にとって導入メリットがより大きくなっています。

需要側の活用(デマンド・レスポンス)

デマンド・レスポンス(Demand Response)とは、需要家(電力の消費者側)が電力使用を調整することで需給バランスを取る仕組みです。出力制御は発電量が需要を上回る場合に実施されますが、需要側が利用をシフトすれば余剰を吸収でき、発電の抑制が減少します。例えば、工場や商業施設が昼間の稼働時間をずらすことで、太陽光の余剰電力を有効活用できます。

また、EV(電気自動車)や蓄電池の充電を余剰電力が多い時間帯に集中させることで、出力制御の頻度を低減する効果も期待できます。さらに、家庭用のスマート家電を活用すれば、余剰電力を自動的に消費し、需給バランスの維持に貢献することが可能です。今後は、AIやIoT技術を活用した自動制御や電力市場への需要側の積極的な参加が拡大し、需要側も系統運用において一層重要な役割を担うことが期待されています。

補償ルールの詳細【電力会社毎】

補償ルールの詳細【電力会社毎】

出力制御の補償ルールには、「旧ルール」「新ルール」「無制限無補償ルール」の3種類があります。これらは、発電設備の接続申込日や出力規模、電力会社の管轄エリアによって適用条件が異なります。2025年9月15日時点の情報をもとに、電力会社毎に解説します。改定されることもありますので、実際の利用にあたっては、必ず各電力会社の公式情報をご確認ください。

北海道電力

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出力制御のルール 旧ルール 無制限無補償ルール
契約申込の受付日 ~2015年1月25日 2015年1月26日~
無補償での
出力制御上限
500kW以上 年間30日 無制限
10kW以上
500kW未満
10kW未満 当面の間出力制御対象外 無制限の対象となるが10kW以上の出力制御後に行う(優先的な取扱い)
制御方法 現地操作または自動制御 自動制御

出典元)出力制御【需給バランスの制約】の対象となる発電事業者さま - ほくでんネットワーク

東北電力

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出力制御のルール 旧ルール 無制限無補償ルール
契約申込の受付日 2014年9月30日まで 2014年10月1日~
2015年1月25日
2015年1月26日~
2015年3月31日
2015年4月1日以降
無補償での
出力制御上限
10kW未満 出力制御対象外 出力制御対象外 出力制御対象外 無制限の対象となるが、10kW以上の出力制御後に行う(優先的な扱い)
10kW以上
500kW未満
年間30日 年間30日
(旧ルール)(低圧連系)
無制限 無制限
500kW以上 無制限
(高圧・特高連系)
制御方法 500kW未満はオンライン代理制御(停止しない)
500kW以上は現地操作(手動制御、停止する)
低圧10kW以上はオンライン代理制御(停止しない)
高圧以上は自動制御(出力制御機能付きPCS等、停止する)
自動制御(出力制御機能付きPCS等、停止する)

出典元)再エネ出力制御に関するよくあるご質問

東京電力

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出力制御の
ルール
旧ルール 新ルール 無制限無補償ルール
契約申込の
受付日
2015年1月25日まで 2015年1月26日〜
2015年3月31日
2015年4月1日~
2021年3月31日
2021年4月1日以降
オフライン オンライン オフライン オンライン オフライン オンライン オンライン
500kW以上 実制御する(本来制御) 実制御する(本来制御+代理制御) 対象なし 実制御する(本来制御+代理制御) 対象なし 実制御する(本来制御+代理制御) 実制御する(本来制御+代理制御)
500kW未満
50kW以上
実制御しない(被代理制御) 実制御する(本来制御+代理制御) 実制御しない(被代理制御) 実制御する(本来制御+代理制御) 対象なし 実制御する(本来制御+代理制御) 実制御する(本来制御+代理制御)
50kW未満
10kW以上
実制御しない(被代理制御) 実制御する(本来制御+代理制御) 実制御しない(被代理制御) 実制御する(本来制御+代理制御) 実制御しない(被代理制御) 実制御する(本来制御+代理制御) 実制御する(本来制御+代理制御)
10kW未満 制御しない 制御しない 制御しない 制御しない

出典元)2025年度 出力制御見通しについて

中部電力

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出力制御のルール 旧ルール 新ルール 新ルール 無制限無補償ルール
契約申込の受付日 2015年1月25日まで 2015年1月26日~
2015年3月31日
2015年4月1日~
2021年3月31日
2021年4月1日以降
出力制御
方法
10kW未満
10kW以上
50kW未満
実制御なしまたはオンライン制御 オンライン制御
50kW以上
500kW未満
実制御なしまたはオンライン制御 オンライン制御
500kW以上 実制御なしまたは
オンライン制御
オンライン制御

出典元)発電設備の出力制御について - 再生可能エネルギー等の発電設備の接続について|中部電力パワーグリッド

北陸電力

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出力制御のルール 旧ルール 新ルール 新ルール 無制限無補償ルール
契約申込の受付日 2015年1月25日まで 2015年1月26日~2015年3月31日 2015年4月1日~2017年1月23日 2017年1月24日以降
無補償での
出力制御上限
500kW以上 年間30日 年間360時間 年間360時間 無制限
50kW以上
500kW未満
当面出力制御対象外
10kW以上
50kW未満
出力制御対象外
10kW未満
制御方法 現地操作(手動)または自動制御(CDT等) 自動制御(出力制御機能付PCS等)

出典元)北陸エリアにおける再生可能エネルギーの導入量増加に伴う 発電事業者さまへの出力制御に向けた準備のお知らせ

関西電力

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出力制御のルール 新ルール 無制限無補償ルール
契約申込の受付日 2021年4月1日まで 2021年4月1日以降

出典元)再生可能エネルギー出力制御ルールの改正について | 2021 | お知らせ・更新情報

中国電力

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出力制御のルール 旧ルール 新ルール 無制限無補償ルール
契約申込の受付日 2015年1月25日まで 2015年1月26日~
2015年3月31日
2015年4月1日~
2018年7月11日
2018年7月12日以降
30日等出力制御枠
(660万kW)の内訳
235万kW 425万kW -(660万kW超過分)
無補償での
出力制御上限
500kW以上 年間30日 年間360時間 年間360時間 無制限
50kW以上
500kW未満
10kW以上
50kW未満
10kW未満 当面の間、出力制御対象外

出典元)出力制御 | 中国電力ネットワーク

四国電力

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出力制御のルール 旧ルール 新ルール 無制限無補償ルール
無補償での出力制御上限 500kW以上 年間30日 年間360時間 無制限・無補償
50kW以上
500kW未満
10kW以上
50kW未満
10kW未満 当面の間、出力制御対象外

出典元)再生可能エネルギーの出力制御について

九州電力

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出力制御のルール 旧ルール 無制限無補償ルール
発電所の種類 オフライン オンライン オンライン
500kW以上 基本は実制御しない
(被代理制御+本来制御)
実制御する
(本来制御+代理制御)
実制御する
(本来制御+代理制御)
10~500kW 実制御しない
(被代理制御)
10kW未満 制御しない

出典元)九州電力送配電 出力制御実施方法の見直しについて(2022年12月以降の実施方法)

沖縄電力

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出力制御のルール 旧ルール 新ルール 無制限無補償ルール
契約申込の受付日 2015年1月25日まで 2015年1月26日~
2021年3月31日
2021年4月1日以降
無補償での
出力制御上限
500kW以上 年間30日 年間360時間 無制限
10kW以上
500kW未満
10kW未満 当面の間 出力制御対象外

出典元)沖縄電力 よくあるご質問

まとめ

出力制御とは、電力の需給バランスを維持するために発電量を調整する重要な措置です。特に太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーは、天候などの外的要因で発電量が大きく変動しやすく、電力需要を大幅に上回る場合には電力系統全体が不安定となり、最悪の場合には大規模停電を引き起こすリスクが高まります。火力発電の出力制御や送電線の連系など、他の調整手段でも需給バランスの確保が困難な場合、最終的に再生可能エネルギーの発電設備に対して出力制御が実施されます。

近年では、2023年度の出力制御量が18億kWhを超え、2025年度も引き続き高水準で推移する見込みです。こうした出力制御量の増加の背景には、再生可能エネルギーの導入拡大や電力需要の減少といった構造的な変化があります。今後も出力制御の重要性がより高まっていくことが予想されます。

なお、発電事業者には法律上、出力制御への対応義務が課されており、出力制御による売電収入の減少リスクを避けることはできません。一定の補償制度が設けられているものの、無制限無補償の適用範囲が拡大しているため、事業者にとってのリスクはさらに高まっています。

こうした状況に対応するためには、蓄電池やオンライン制御対応機器の導入による収益の改善をはじめ、様々な情報の収集と戦略選定が不可欠です。自社や地域の状況に合った方針を選ぶことで、経済的利益と環境貢献の両立が可能となります。

オムロン ソーシアルソリューションズでは、太陽光発電所の所有者に向けて、出力制御の影響や、FIT制度の終了を見据えた収支計画の見直しから、機器の更新や廃棄、さらには事業承継に役立つ情報を提供しています。本記事よりも実践的で有益な情報が満載です。収益性の向上を目指す方は、ぜひダウンロードしてご一読ください。