無停電電源装置|Japan
These are navigation links to move inside this page.
BVシリーズ 導入事例
BVシリーズの導入事例をご紹介いたします。
富士物流株式会社様
富士物流株式会社では、BCPや働く人の安全といった観点から、情報通信機器の保守部品を管理するパーツセンターで、遠隔で状況を確認できるビデオマネジメントシステム(以下:VMS)の実証実験を行っています。災害等で停電になっても、VMSが稼働するようにオムロンの無停電電源装置(UPS) BV55REMが採用されました。
導入先様情報
販売元様情報
今回は、BV55REMを導入された富士物流株式会社 尾崎 徳之 様と、提案、販売されたサンテレホン株式会社
世戸 慎吾 様にお話を伺いました。
尾崎:富士物流は、総合物流の中で、LCLサービス(ライフサイクルロジスティクスサービス)を展開しています。その中のひとつに情報通信機器の保守部品をお届けするサービスがあります。拠点となるパーツセンターを全国に構えていますが、その半数以上は作業員の少ない小さな拠点です。
2019年には、震度5強の地震が年間で8回もあり、特に東北地方で多く起こりました。この規模の地震が発生すると当社では拠点の責任者が現地に駆け付け、状況を把握しますが、2019年に起きた地震は、8回のうち6回が休日もしくは夜間に発生しており、作業員の安否確認、二次災害リスクの回避と速報性という観点からパーツセンターでVMSの実証実験を行うことにしました。
作業員が一人だけの拠点も多く、日中に震災が起きて連絡が取れなくなった際にも外部から確認が取れ、作業員の体調不良などがあった際はフォローができる仕掛けや災害時の停電対策も必要でした。
世戸:VMS導入にあたり、夜間でも倉庫内の状況がはっきりと見えること、スマホで遠隔操作しながら見たい場所を見られるように運用したいという富士物流様のご要望を叶えるために、固定カメラとPTZという首振りカメラを併用するご提案をしました。固定カメラで倉庫内の保守部品を確認し、夜間になると赤外線機能により定点監視をします。首振りカメラは、遠隔操作によるコントロールもできます。カメラは24時間365日稼働して、録画もしています。新しい仕組みを導入してオペレーションしていただくことになりますので、簡単に操作できることもポイントになりました。併せて、災害時でもシステム稼働できるようにオムロンのUPS、BV55REMをシステムに組み込みました。
尾崎:2022年1月にトンガで発生した海底火山の大噴火の影響を受け、日本の沿岸部でも津波警報や津波注意報が発令されました。実証実験を行っているパーツセンターがある地域に津波注意報が出たのが日曜日の未明。どこにいてもスマホで映像を見られたので、我々や拠点・エリアの管理者等、エスカレーションライン複数のメンバーで状況を確認しました。その際、PTZを遠隔操作することで倉庫の入り口から奥までをくまなく確認できました。災害直後の状況を視覚的に把握することで、作業員の安否確認、お客様への報告や拠点の初動対応のスピードが速くなりました。
世戸:VMSの遠隔監視制御は、非常時に問題なく稼働することが求められますが、設置後、問題なく動いています。BV55REMは、PoE(Power over Ethernet)に対応したネットワークスイッチにつながっていますが、BV55REMと今回採用したPoEスイッチは、メーカー間で既に動作検証済みでしたので安心してご提案できました。
世戸:富士物流様は、災害などで停電になった際、すべてのカメラを維持するのではなく、倉庫内の状況を確認するために必要なカメラだけを機能させるという明確な対策目的をお持ちでした。BV55REMはPoEスイッチの給電ポート毎にOFF/ON管理・制御ができるので、必要なカメラだけを機能させるという富士物流様の考え方と非常にマッチしていました。また薄型で縦置きできる等、限られたスペースに設置できるのも大きなメリットです。埃の影響を受けにくいファンレス設計なので壊れにくいこともありますし、製品寿命が10年なのでメンテナンス頻度を軽減できるのも採用のポイントでした。
尾崎:最近は、倉庫でもコージェネレーションを持っているところが増えていますが、基本的には作業員の避難用非常灯ぐらいしか賄えない電力のものが多いのです。そういった中で、限られた電力の供給先を絞り込み、本当に必要な機器のみを継続稼働させるという考え方のUPSを今回はじめて知りましたが、さまざまな可能性が期待できます。
尾崎:実証実験の結果を検証しているところですが、今後は全国のパーツセンターにVMSを展開していきたいと考えています。お客様の部品を守るためにも、いつ起こるかわからない災害への備えは不可欠です。また遠隔でリアルな状況を見ながら業務の確認もできますし、スピーカーとマイクを活用してコミュニケーションをとることで、作業者の心理的な面も含めてサポートできる環境をつくっていきたいですね。何かあった時に遠隔で連絡が取れることが安全・安心のベースになると考えています。
物流の世界はここ10年で大きく変わってきています。パソコン端末等のインストール、キッティング、お客様の現場へ赴いて搬入設置をするオンサイトでの作業等、従来メーカー様が行っていたことを物流会社が担っています。大型の自動ピッキング装置等を備えた倉庫などIoT化も進んでいますが、それらを動かしているのは人ですから、働きやすい環境を整えることが大切です。
世戸:安全安心、さらにはコミュニケーションの手段となり得るVMSは、いろいろな業界で担い手不足が言われているこの時代で、人材確保にも有効だといえます。物流業界においては、IoT導入倉庫としての付加価値が差別化につながると思っています。
導入イメージ