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熊本地震の復旧作業にピエゾ式歪みセンサーが活躍

4月14日前震、4月16日を本震とする熊本地震が発生し、家屋の倒壊、道路や橋の崩落等、甚大な被害をもたらしました。被災地の方々は今もなお、震災前の日常生活を取り戻せていない状況でおられます。改めて、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
地震発生の直後、九州自動車道は大きな損傷を受け、益城熊本空港IC~嘉島JCTの間に位置する「木山川橋が破損し、通行止めを余儀なくされました。こうした中、西日本高速道路株式会社様(以下、NEXCO西日本様)及び西日本高速道路エンジニアリング九州株式会社様(以下、NEXCOエンジ九州様)は、「木山川橋」の早期応急復旧に向け懸命に取り組まれましたが、通行止めを解除するためには、早期応急復旧後の橋梁に異常な歪みが生じていないかリアルタイムに計測・モニタリングし、車両が安全に通行できることを確認しなければなりませんでした。
木山川橋の破損した橋梁

引用:http://corp.w-nexco.co.jp/activity/maint_bus/disaster_recovery/pdfs/05.pdf
そこで、オムロンソーシアルソリューションズ株式会社(以下、OSS)は、NEXCOエンジ九州様からの緊急応援要請を受け、道路など社会インフラの老朽化を測定するための「ピエゾ式歪みセンサー」を用いた「遠隔モニタリングシステム」の納入を2日間で完遂しました。
設置作業

引用:http://corp.w-nexco.co.jp/newly/h28/0427a/pdfs/06.pdf
「ピエゾ式歪みセンサー」とは、対象の物質に圧力が掛かると電流が流れる構造をもつ圧力センサーです。その電流の波形を解析することで、歪み度合いを計測できるようになります。

ピエゾ式歪みセンサーとは

力が加わると「電荷」を発生する材料で構成。自己発電型のため、省電力化、高感度化が期待でき、構造物の劣化による応力の変化を検知する省電力なセンサーとして活用可能。


今回、ピエゾ式歪みセンサーを木山川橋の橋梁部に設置。リアルタイムに計測したデータを福岡県にあるNEXCO西日本様九州支社に送信し、早期応急復旧後の橋梁部に異常な歪みが生じていないか遠隔でモニタリングするシステムを構築したものです。
NEXCO西日本様とNEXCOエンジ九州様は、本システムによって車両が安全に通行できることを確認し、本震の発生から約2週間で早期応急復旧作業を完了。時速20kmの速度規制が敷かれながらも4月29日に木山川橋の通行止めを解除されました。
なお、通行止めの解除後も2週間にわたり本システムを継続して活用され、橋梁部に異常な歪みが生じていないか24時間遠隔でモニタリングされました。
今回の九州自動車道の早期応急復旧に対する貢献が評価され、NEXCOエンジ九州様より6月22日、感謝状を受領いたしました。熊本地震からの復旧に貢献できたことを誇りに、今後とも社会インフラに関わる様々な課題を解決する先進的なソリューションを提供してまいります。