社員紹介STAFF

開発設計(メカ)

就職活動の際にOSS(オムロン)を選んだ理由を教えてください。

私がOSS(オムロン)を選んだ理由は、「私達で社会課題を解決し、社会をより良くしよう」という企業理念に共感、感銘を受けたことが主軸にあります。

私が就職活動のときにずっと悩んでいたことが、「なぜここで働くのか?」という問いです。当たり前な問いに聞こえるかもしれませんが、今でも考えることがあります。学生時代は機械専攻であったため、自分が挑める分野も広く、この問いにずっと悩んでいました。
そんなときオムロンの企業説明会に参加したのですが、そこで大きく記憶に残っていることがあります。それは、他社と比べると「企業理念」を大事に説明していたことです。
企業として利益を追求することよりも、社会に貢献することが上位に存在し、それを経営理念としていることに驚き、感銘を受けました。自分が設計した製品が市場へリリースされる喜びだけでなく、「社会に広がっていく=社会課題の解決に貢献している」ことを実感できる会社であれば、自分の働く意義として納得できると思い、志望を決心しました。

私はオムロンの中で、OSSのエネルギー事業を選びました。OSSが作るパワーコンディショナ(パワコン)、蓄電システムを普及させることは、再生可能エネルギーの普及に広がっていきます。これは日本の社会課題を超え、地球課題の解決に繋がっていきます。この重要なミッションにチャレンジしていくことは、働く意義として揺るぎない心の拠り所になると思い、OSSを選びました。

現在担当しているのはどのような業務ですか。

蓄電システムで使用するパワコン、蓄電池の構造設計を担当しています。蓄電システムは、太陽光パネルで発電した電力をパワコンで家庭でも使える電力に変換し、その電力を蓄電池に溜めて使うことができるというものです。主に住宅へ施工業者によって施工され、パワコンは壁掛け、蓄電池は床置きで設置します。構造設計だけでなく、施工者が安全・適切に施工できるかといった施工者目線の構造検証も行っています。

働くやりがいや楽しさを感じられるのはどんな時ですか。

大きく2点あります。

1つ目は、開発を通じてメカ以外の専門知識を身につけながら、自分で考えた設計案を形にできることです。商品開発は大きくソフト・エレキ・メカの3チーム体制で進めています。それぞれ専門領域が異なり、主にソフトはシステムを連携動作させるためのソフト開発、エレキは製品の小型化を実現するための回路設計、メカは筐体設計や耐環境性の作り込みです。チームの中でエレキ・メカは特に連携して開発を進めます。連携の一例ですが、パワコンは大きな電力を変換するため、電子部品からノイズと呼ばれる雑音が発生し易く、機器の誤動作や異音の発生に繋がってしまいます。これを防ぐため、エレキがノイズ源となる電子部品を見極め、メカが構造部品でシールド(覆う)することで対策します。ベストな設計を導くため事前検証を重ねる苦労はありますが、構想が形になったときは達成感を感じられます。またメカ専門外の知識も開発を通じて身につくため、スキルUPに繋がっています。

2つ目は、太陽光発電の普及を私生活で実感できることです。パワコンは、一般住宅の壁に設置されていることをよく見かけることができます。日本も脱炭素に向けて舵を切り、太陽光発電が普及することで見かけるパワコンも増えていくと期待しています。自分の目で普及が広まっていくことを発見できることは、社会貢献を体感できるという点でやりがいに繋がっていくと思います。

仕事で苦労した事、困難だった事はありますか。

入社3年目のとき、既存パワコンに部分変更を加えた派生機種の商品開発を、メカリーダという立場で経験したことです。スキルアップを目的に、上司からチャレンジしてみないかという機会を頂きました。2年目まではリーダの下で、与えられた業務を期日までに完了させることが主業務だったのですが、大きな変化として、商品リリースまでに何を、いつまでに、誰を巻き込んで進めるのか?という全体計画を、自分で考えて進めることになりました。経験のない全体計画で、最初は戸惑いが大きかったですが、業務の流れを点から線で見る意識に変わったことを覚えています。

このテーマで強く学んだことがあります。設計は「新しいモノを作り出す」ことだけでなく「今あるモノを改善しより良くする」ことも重要だということです。
本テーマの方針は「既存パワコンから基板のみ変更し、他部品は変えずに機能UPさせる」でした。量産部品を変えると、部品切替の調整など生産に影響がでるためです。基板の回路設計が変わると、内部の結線ルートも変化します。構造部品はそのままに、内部構成の成立を保証することに苦労しました。どうすればモノを変えずに成立できるか?を生産部門と協力しながら検討し、部分的に既存パワコン側の製造方法を変え、工夫することで解決策を導くことができました。今あるモノをうまく改良することも、エンジニアとして必要なスキルだと気づく学びになりました。

今後仕事をしていく上で成し遂げたいと考えている事や目標はありますか。

設計者として、「現場目線のエキスパート」を目指していきたいと考えています。私は「設計者のアウトプット = 専門スキル×現場課題の解決」と考えています。商品がお客様の手に届くまで様々な現場(加工、生産、流通、施工など)を経由しますが、これらすべての現場に大小問わず潜在的な課題があります。市場に製品がリリースされる前に、見えない課題を事前に発見し、対策を講じた設計で進めることで質の高いアウトプット(設計)に繋がると考えています。

課題例で、施工者の配線作業があります。太陽光発電システムの設置は、パワコンだけでなく太陽光パネルも含む大きな工事です。熟練の施工者が時間を掛けて施工します。配線で各機器を繋ぐのですが、施工で使う電力線は太く、配線作業には労力が必要です。この配線を製品内部に接続する際、製品内の施工スペースが狭いと、無理な力が加わり製品が破損する恐れがあります。現場目線でこういった課題を捉え、余裕のある施工スペースを確保しておくなど、事前に対策を講じることが重要です。そのため、設計者として専門スキルを磨くことも勿論重要ですが、課題察知・解決力を、より鍛えていかなければならないと感じています。

この力は、私生活でも視野を広げ、常日頃から意識することで自己研鑽することができます。「ここにはどんな困りごとがある?」というセンシング力を鍛え、「現場目線のエキスパート」を目指していくつもりです。