社員紹介STAFF

2005年入社IoTソリューション事業本部 技術統括部

OSS(オムロン)に入社した理由を教えてください

前職の部品メーカーでは、液晶バックライト用のインバータや複写機などに使われる高圧電源の設計に携わっていました。こうした機器の一部だけでなく、製品やシステム全体の設計や開発に関わりたいと思ったのが、転職を決意した理由です。さまざまな電子機器システムを手がけるオムロンは、まさに希望にぴったりの企業でした。

私が配属された技術統括部は、主にUPS(無停電電源装置)の新製品開発を行う開発技術グループと、製品を発売した後にメンテナンスや仕様変更に応える商品技術グループに分かれ、幅広い開発業務を担っています。入社後はまず商品技術グループで、お客様からのメンテナンスや仕様変更などさまざまな要望や問い合わせに応える仕事を担当しました。仕様変更に伴って製品に改良や変更を追加し、お客様のご要望に応じてカスタマイズするなど開発経験も積みました。

現在担当しているのはどのような業務ですか

商品技術グループを経た後は開発技術グループでUPSの新製品開発に携わってきました。
UPSの開発では、新製品の規格、仕様を決めた後、海外の開発パートナーに委託して設計・開発を進めます。私の役割は、まず営業担当者やプロダクトマネジメント部門がお客様のご要望をまとめた仕様書をもとに、実際に設計図を描けるよう細部にわたって技術的なスペックに落とし込み、開発を委託するパートナーに依頼すること。求められる性能や品質を実現することはもちろん、市場動向やコスト、開発期間も含めてあらゆる要望をいかにスペックに落とし込むか、技術者としての力量が問われます。
開発に着手した後は、開発パートナーと密に打ち合わせを重ねながら細かな指示を出し、当社の求める技術・品質水準で開発が進むよう進捗を管理。最後に完成した製品の品質や性能の評価試験を経て、生産部門に引き渡すまでを担当します。

さらに2018年10月、オムロンUPS事業がOSSに統合されたのを機に、技術統括部の開発力を強化するための新たな基盤づくりにも取り組んでいます。その一つが、新しい開発プロセスの構築です。各開発パートナーの持つ開発手順と整合性をとりつつ、オムロンの求める品質水準を達成し得る最適な開発プロセスを作ろうとしています。
同時に次世代に求められる新技術を獲得していくための戦略をつくるとともに新たな開発パートナーの開拓にも着手しています。国内外を問わず、ユニークな技術を持った開発企業を探索し、開発委託やネットワークづくりを進めています。

働くやりがいや楽しさを感じられるのはどんな時ですか

日本はもちろん世界で自然災害が増えている近年、そうした非常事態に備えておくことがますます重要になっています。UPSは災害などで停電が起きた時に電源を確保し、ライフラインを維持し、大切なデータを保護する上で欠かせない製品です。そうした製品を通じて生活や産業を縁の下で支えているそんな使命感とやりがいを感じながら日々開発に取り組んでいます。

仕事で苦労した事、困難だった事はありますか

言語だけでなく、文化や価値観の異なる海外の開発パートナーと共に製品開発を進める上では、大変なことがたくさんあります。とりわけ苦労するのは、日本の品質や安全の基準を理解し、設計や製品に反映してもらうことです。
例えば、回路に高性能のプロテクト機能を付加するよう設計の変更を依頼した時には、日本で起こった事故やお客様からのクレームの実例を交えてその必要性を丁寧に説明し、時間をかけて開発パートナーに納得してもらいました。必要なスペックを付加するだけでなく、それによって開発費や開発期間が膨らまないような解決策を導き出してもらうため、多方面からサジェスチョンを行う必要もありました。パートナーと試行錯誤した結果、お客様のご要望をすべてクリアし、「よくやってくれました」と喜びの言葉をいただいた時はうれしかったですね。

職場の雰囲気や働きやすさについてどう思いますか

UPS事業が加わり、技術統括部を挙げて新たなスタートを切ったところです。部内にはこれまで経験のないことへの挑戦も前向きに後押ししてくれる雰囲気にあふれています。また開発技術グループ、商品技術グループといった部署の垣根を越えたつながりも密接で、互いに協力し合う環境も整っています。上下関係や部署を問わず、誰にでも相談しやすいので、さまざまな人の力を借りながら新しいことに思い切って挑戦することができます。

今後仕事をしていく上で成し遂げたいと考えている事や目標はありますか

これまでFA業界、IT業界をはじめさまざまなものづくり業界から個人ユーザーまで多種多様な分野のお客様にUPSを開発・提供してきました。さらにOSSにUPS事業が加わった今、鉄道や駅、道路といった公共交通機関にもニーズが広がっています。社会インフラの安全を支えるためには、より大きな出力容量、より厳しい環境での耐性など、これまで以上に高い機能や性能、品質が求められます。こうした高い要求にも応えていくことが目標です。

また新しい開発パートナーの開拓や新技術の取り込みを通じて開発力を強化していくだけでなく、社内にも設計・開発体制を構築し、自社開発力を高めていくことも目指しています。いずれは開発案件によって社内と社外の開発力をフレキシブルに活用し、より多様な開発ニーズに応えられるようになりたいと考えています。

どのような仲間と一緒に働きたいですか

仕事では、営業部門やプロダクトマネジメント部門の他、委託先の開発パートナーなど社内外のさまざまな組織・人との関わりが不可欠です。そうした多様な立場の人と円滑にコミュニケーションを取って必要な情報を収集したり、多くの人と協働して製品を完成させるまで開発を進めていける実行力を持った人を求めています。
加えて、開発パートナーの多くが海外の企業のため、グローバルに通じるコミュニケーション力や折衝力も必要です。語学力に長けた人よりもむしろ、相手の文化や価値観を理解しながらこちらの要望をかなえてもらえるよう心を動かすことのできる熱意や度胸、交渉力を持った人に仲間になってもらいたいと思っています。