サステナビリティ

環境に配慮した自動改札機の開発

オムロン株式会社は、日本の高度成長期における都市の通勤ラッシュを解消すべく、1967年に世界初の無人駅システム(現在の自動改札機)を誕生させました。当時の自動改札機から進化を重ね、オムロン ソーシアルソリューションズ(株)(以下、OSS)はオートメーション化によるスムーズな駅利用を支援しています。
2023年には、社会変化に対応しながらも、環境に配慮した新しい自動改札機(PG-S改札機)の販売を開始しました。

  • 自動改札機で利用される媒体の変化

    交通系ICカードの普及に伴い、事前に切符を購入することなく電車に乗車することが多く
    なっています。
    また、最近では海外から旅客増加に伴い、予約サービスを経由して入手したQRコードでの
    乗車や、クレジットカードでのタッチ決済による乗車も増加しています。

自動改札機の設計に求められるもの

  • 自動改札機の内部には、従来からの切符の情報を読み取る磁気券搬送部のほかに、交通系ICカードやスマート
    フォンのモバイルアプリと情報を送受信するリーダライタおよび、それらにより得られた情報を識別し判定する制御部が搭載されています。
    新しい改札機を設計する際には、それらの機器を長期間に渡って安定的に稼働させることができる部品の選定が必要となります。また、改札機の外観部分である筐体においては、毎日多くの人が利用するため、耐久性はもちろんのこと、車いすやベビーカーユーザーへの安全性を確保した素材や加工が重要です。
    これらを考慮しつつ、環境に配慮した製品をつくりだすには、さまざまな検討や工夫が必要となります。

  • 内部:安定稼働の確保、環境貢献、外観:耐久性・安全性
  • OSSの取り組み

    機器の安定稼働に加えて、資源の有効活用を実現

設計

  • 機能や性能への影響を考慮した上で、筐体の一部外装品に「再生プラスチック材」を使用
  • 部品1点1点の見直しを行い、単一電源化、基板枚数削減等で35%の省資源化※1
  • 低消費電力の部品選定により、待機電力20%削減※2
  • 無通電でもデータ記憶が可能なメモリ実装により、廃棄時に再資源化目的で個別回収が必要となるリチウム電池を削減

※1・2:当社従来比

営業販売

  • 利用頻度が減少している磁気券搬送部には、資源の有効活用の観点から旧機種(PG-R改札機)からの再利用を可能とし、お客様
    への提案活動を実施

※品質保証のための一部部品交換は必要

  • 取り出し
    旧機種PG-R改札機から
    磁気券搬送部の取り出し
  • 改造・検査
    工場新機種仕様に改造・検査
  • 再利用
    新機種PG-S改札機へ設置

私たちの思い

  • 私たちは、安全・安心・快適に移動できる社会を目指しています。
    本件は、他の乗り物に比べて環境負荷が低い鉄道輸送において、私たちが提供する駅務機器により、
    さらなる環境負荷低減を実現しました。
    今後も新たな材料の使用や機器の省資源/省電力化を図り、より環境に優しい商品・サービスの開発
    にチャレンジしていきます。

オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社が提供する関連サービス