社員紹介STAFF

開発設計(メカ)

就職活動の際にOSS(オムロン)を選んだ理由を教えてください。

OSSを選んだ理由は、多くの人に使用される公共機器のデザインに携わることができ、社会への影響力の大きい会社だと考えたからです。

私は大学でユニバーサルデザインを研究し、どうすれば人が使いやすいデザインをつくることができるかを学んでいました。そのため就職活動中は、大学で学んだことを生かし、“人に寄り添ったデザイン”ができるメーカへ就職したいと考えていました。就職活動を始めた当初、オムロンは体温計や血圧計のイメージが強く、券売機や信号機制御の事業も行っていることは知りませんでした。ところが、オムロングループの合同説明会でOSSの会社紹介を聞き、色々な人が使用する公共機器をより良いものへ作り上げることができる会社だと感じ、選考を受けることを決めました。OSSにはデザインの部署はありませんでしたが、より良いデザインを実現するには機械設計のスキルが不可欠だと考えました。私は今、大学で学んだユニバーサルデザインの考え方と、入社後に学んだ機械設計のスキルを活かして、人に寄り添った機器を作ろうと日々励んでいます。

現在担当しているのはどのような業務ですか。

就職活動中、駅の券売機や改札機は世の中に既に普及しているのに、OSSで具体的にどんな仕事をするのかイメージがわきませんでした。実際の主な仕事は、駅で電車に乗る上で利便性が高くなる新しい機能や価値を鉄道会社様、一般ユーザ(乗客)の方へ提供するために、全国各地の駅に納入する機器を設計する仕事となります。私が住んでいる家の最寄り駅に、私が設計した機器が納入されることもあります。

私は現在、駅のホーム上にも設置できる簡易改札機の機器設計を担当しており、板金と樹脂で構成される機器の筐体設計に注力しています。お客様のご要望を満たすことに加えて、誰でも安全・快適に操作できるデザイン、長期に渡り安定稼働できる品質を、顧客と事業に貢献できるコストで実現することを目指して、他の設計者と一緒に取り組んでいます。

働くやりがいや楽しさを感じられるのはどんな時ですか。

私が設計した機器が市場で稼働し、一般ユーザの方が機器を何気なく使用されている様子を見ると、この仕事をしていてよかったなと感じます。特にやりがいを感じた仕事は、無人駅に券売機を納入するテーマでした。無人駅に券売機を設置することは、有人駅の券売機よりも防犯性能を高めなくてはならず、且つ短納期で納品しなくてはいけませんでした。そのために、営業、設計、工場がチーム一体となって協力し合い、スピーディに連携することで、納期通りに出荷できました。

仕事をしているときは大変でしたが、現地で実際に使用された一般ユーザの方から、「今までICカードのチャージができなかったけど、チャージができる券売機が設置されて助かった」というお言葉を聞き、私の仕事が人の役に立っていると実感がわきました。OSSの事業は社会の“日常”をつくるお仕事だと考えています。存在して当たり前の、皆さんの“日常”に溶け込む機器をこれからも作っていきたいと考えています。

仕事で苦労した事、困難だった事はありますか。

学生と社会人の大きな差は行動の責任の重さだと感じています。入社1年目のとき、私と先輩で設計した機器を工場で量産化してもらうための作業をしていました。当時の私は、納期までに作業を完了しなければと、新人であるにも関わらず、作成した図面や部品リストの確認を十分に行っていませんでした。自分の作業は大丈夫だろう、問題ないだろうと過信していたのです。結果として大量のミスが見つかり、工場の方をとても怒らせてしまいました。工場の方が怒るのは、お客様への納品が迫る中で設計部門のミスで生産工程が混乱するためです。私1人のミスは製造ライン数十人の方へ影響が広がっていました。このとき私は、私の仕事の仕方が、工場の方はもちろんのこと、私と関わるステークホルダーに影響を及ぼすことを理解し、責任感を持って仕事の品質を高めることが社会人として必要だと考えました。私は、自分のミスに対して工場の方へ謝罪し、ミスを解決し、機器が無事出荷されるまで毎日工場へ顔を出しました。一度失った信頼を取り戻すことは簡単ではありませんでしたが、ミスに対して真摯に対応することで、当時怒っていた工場の方とは仲良くなり、今ではお互いの仕事の困りごとを相談し合える関係となっています。

当時の上司から教えていただいた「後工程はお客様」という言葉は今も意識しており、責任感を持って仕事をしています。

今後仕事をしていく上で成し遂げたいと考えている事や目標はありますか。

私の目標は、私がデザインし、設計した機器でグッドデザイン賞をとることです。私が考える“人に寄り添ったデザイン”として評価される指標の一つだと考えているからです。ところが、デザインを提案させていただいた鉄道会社様とのお話や、社内での設計レビューを経験すると、学生のときにイメージしていた“人に寄り添ったデザイン”とは乖離がありました。一般ユーザへの配慮はもちろんのこと、鉄道会社様、現場でご対応されている駅係員様、機器のメンテナンスを担当される保守員様、製造ラインで機器を組み立てている作業者への配慮も設計者として必要だということをOSSに入社してから気づきました。本当の意味での“人に寄り添ったデザイン”は、見た目の外観デザインだけでなく、機器の中身の構造やシステムも人に寄り添うことが大切です。グッドデザイン賞を受賞し、“人に寄り添ったデザイン”を実現するために、チーム内の設計者と信頼関係を構築し、機器と関わりある人たちの声を聞いて、相手本意で仕事をしていきたいと思います。