オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(以下、OSS)は、交通事故や渋滞のない社会を目指しています。
道路上をセンシングすることにより把握した交通状況に基づき、円滑な交通の流れを作る交通信号の制御や事故、渋滞などの交通情報を提供する交通管制システムを道路管理者や交通管理者に提供し、その実現に向けて寄与しています。
また、継続的にその高度化を進めることによって、道路利用者の安全性や快適性のさらなる向上に努めています。

一般道や高速道には、交通状況を把握し、円滑な交通を支えるための「車両感知器」が設置されています。車両感知器は、交通信号制御や交通情報提供に利用するための交通量、速度、渋滞状況などをリアルタイムで計測しています。また、それらのデータを蓄積することによって将来の交通計画策定にも利用されており、車両感知器は、安全で快適な交通社会の実現に不可欠な存在です。
現在、一般道における車両感知器の主流は、超音波式となっています。これは、人の耳には聞こえない高い周波数の音波(超音波)を利用し、感知器から発射した超音波が反射して戻ってくるまでの時間を計測することで車両からの反射なのか、路面からの反射なのかを判断し、車両の存在を感知するものです。

この超音波感知器には、以下のような課題があります。
超音波車両感知器は基本的に一方向のみの感知に限定され、多くの場合は1車線分の車両のみの検出。また、感知範囲が限定されるため、範囲外の走行では感知されない
速度を正確に計測するためには、車両移動方向に2台を設置して通過時間を測定することが必要
超音波の送受信を行うヘッドを車線直上に設置するための支柱が必要であり、橋の上など設置が困難な場所の計測が不可能
これらの課題を解決すべく、OSSは、新たな車両感知器の開発を始めました。
超音波車両感知器は、比較的低コストで近距離での車両感知に適していますが、前述のような弱点があります。これを解決し、安定かつ高精度な感知を実現するため、警察庁仕様に適合したミリ波レーダ車両感知器を開発しました。
ミリ波レーダ車両感知器は、30~60m離れた位置に存在する対象物に波長が数ミリメートルの高周波電波(30~300GHz帯※OSSでは76GHz帯を使用)を照射し、その反射波によって対象物までの距離や対象物の速度、進行方向を高精度で感知する技術であり、環境の影響を受けにくい特徴を持っています。
路側設置により道路上に張り出す腕木(アーム)が不要にできること、多車線感知により支柱の設置本数が削減できることから、これらの構造物としての資材、さらには機器間を接続する配線資材なども含め、新規投入資源の削減にも寄与するものとなっています。

超音波車両感知器と比較して、速度計測精度は高く、一台で複数車線の速度計測が可能
感知したい場所から30~60m離れた路側位置に設置することで、橋上などの支柱が建てにくい場所の感知が可能、アームレスも実現
超音波車両感知器の場合
ミリ波レーダ車両感知器の場合

ミリ波レーダ車両感知器は、今後の交通管制システムに欠かせない情報収集装置として開発を進めてきました。この技術により、車両の動きや挙動を高精度に捉えることが可能となり、異常走行の感知や高分解能の交通流計測など、より高度な解析機能の開発に取り組んでいます。これらを交通管制システムと連携させることで、渋滞のない快適な社会の実現を目指します。
また、持続可能な社会の実現を最優先に掲げ、環境負荷の低減にも積極的に取り組んでいます。最新技術の導入と開発時の資源削減を徹底し、環境配慮型製品の開発を推進することで、道路交通インフラの安全確保と地球環境の保全に貢献しています。
今後も、次世代の安全走行支援と効率的な交通環境の構築を通じて、環境と社会の調和を追求していきます。