UPS Virtual Report

Nutanixで使用するUPSの選定ポイント

Nutanix
※この記事はNutanix Advent Calendar 2019の12月13日分の記事です。

オムロン ソーシアルソリューションズのSE村井と申します。

今回は、Nutanixで使用するUPSの選定ポイントの説明をしていきたいと思います。
UPSを選定する上で確認することは、以下3つです。

  1. Nutanixの電源が200V or 100V
  2. Nutanixの消費電力
  3. バックアップ時間(停電発生からNutanixをシャットダウンし終えるまでに必要な時間)

それぞれの詳細を説明していきます。

Nutanixの電源が200V or 100V

NutanixのNXシリーズは、NX-1175S-G6など、100V電源が可能なモデルもありますが、多くのモデルが200V電源です。Nutanixの電源が200Vなのか、100Vなのかに合わせて、UPSも200Vか100Vを選定します。また200Vであっても、100Vであっても、電源プラグの形状に注意する必要があります。

Nutanixの電源が100Vの場合
① Nutanix → UPS (オス)
Nutanixの電源プラグ(オス)の形状は「NEMA 5-15P」です。
② Nutanix → UPS (メス)
UPSへの挿し口(メス)の多くは、「NEMA 5-15P」を挿すことができる形状「NEMA 5-15R」 or 「NEMA 5-20R」です。
③ UPS → 建屋(オス)
UPSの電源プラグ(オス)の形状は注意が必要です。
Nutanixの消費電力が大きいため、出力容量の大きなUPSが使用されます。
そのため、UPSの電源プラグ(オス)の形状「NEMA 5-15P(15A)」では出力電力が足りず、「NEMA L5-20P(20A)」もしくは「NEMA L5-30P(30A)」の形状を使用することが多いです。
UPSから出力できる電力は、UPSの電源プラグ(オス)の形状により異なります。

要注意ポイント

  • UPSの電源プラグを変更する必要があるか
  • 15A以外のUPSの電源プラグは、UPSに同梱されているのか、別途購入が必要か
  • UPSの電源プラグの交換作業は、誰が実施するのか
④ UPS → 建屋(メス)
建屋の電源タップ(メス)は、UPSの電源プラグ(オス)に合わせた、電源タップを用意する必要があります。

要注意ポイント

  • UPSの電源プラグを挿すことができる電源タップは既にあるのか、新たに用意する必要があるのか(新たに用意する場合は電源工事が必要です)
Nutanixの電源が200Vの場合

100Vの場合は③と④が要注意ポイントでしたが、200Vの場合は②と④が要注意ポイントです。

① Nutanix → UPS (オス)
Nutanixの電源プラグ(オス)の形状は「IEC C14」です。
② Nutanix → UPS (メス)
UPSへの挿し口(メス)には、「IEC C14」を挿すことができる形状「IEC C13」が必要です。

要注意ポイント

  • UPSへの挿し口(メス)にIEC C13があるか
  • UPSへの挿し口(メス)にIEC C13がない場合、PDUなどで変換が必要です。
③ UPS → 建屋(オス)
UPSの電源プラグ(オス)の形状は「NEMEA L6-20P(20A)」 or 「NEMA L6-30P(30A)」 or 端子台です。
④ UPS → 建屋(メス)
建屋の電源タップ(メス)は、UPSの電源プラグ(オス)に合わせた、電源タップを建屋側に用意する必要があります。

要注意ポイント

  • UPSの電源プラグを挿すことができる電源タップは既にあるのか、新たに用意する必要があるのか(新たに用意する場合は電源工事が必要です)
※PDUを使用する場合のイメージは以下のようになります。
このイメージでは、UPSへの挿し口(メス)の形状は「NEMA L6-30R」です。

Nutanixの消費電力

Nutanixの消費電力は以下URLで確認することができます。(2019年12月時点)
https://www.nutanix.jp/products/hardware-platforms/

確認したいシリーズの赤枠部分をクリックすると、詳細情報を確認できます。
「消費電力」欄で、最大消費電力と標準消費電力を確認できます。

NX-1065-G6は最大1519W、標準968Wであることがわかります。
UPSは型式ごとに出力できる最大容量は決まっています。UPSに接続する機器の最大消費電力の合計値が、UPSで出力できる最大容量を超えない型式を選定します。
(式で表すと、UPSに接続する機器の最大消費電力の合計値 ≦ UPSで出力できる最大容量)

※10Gスイッチなどのネットワーク機器もUPSに接続する機器の対象になります。
※UPSの増設バッテリは、バックアップ時間を延ばすことができますが、UPSで出力できる最大容量を増やすことはできません。

バックアップ時間(停電発生からNutanixをシャットダウンし終えるまでに必要な時間)

Nutanixおよびサーバを仮想化した環境では、物理サーバを単純シャットダウンするより、システム全体のシャットダウンに多くの時間を要します。特にご要望がなければ、バッテリ新品時で20分以上のバックアップ時間を推奨しています。

弊社UPSは、バッテリ新品時からバックアップ時間が半分程度になったタイミングで、バッテリ交換ランプが点灯します。(この考え方はUPSメーカごとに異なりますので、ご利用になるUPSメーカにご確認ください。)

したがって、システム全体のシャットダウン時間が20分の場合、バッテリ新品時のバックアップ時間が40分程度のUPSを選定されることを推奨します。

バッテリには寿命があります。安心してご使用いただくため、使用期間を目安に早めにバッテリ交換することをおすすめしています。
https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/ups/product/battery/battery_life.html(当社HPより)

UPSの選定

今回は例として、NX-1065-G6の最大消費電力は1519Wで、バッテリ新品時のバックアップ時間は20分以上とします。

まず、弊社製品の消費電力別バックアップ時間を以下URLで確認します。
https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/ups/

「製品選定」→「バックアップ時間」をクリックします。
「バックアップ時間の目安(現行機種/生産終了機種)」をクリックします。
PDFが開きます。Nutanixの最大消費電力は1519Wでしたので、1500Wと1600Wの列を確認します。
1500Wと1600Wの列で、バックアップ時間が20分以上の型式を探します。
「BU5002RWL」と「BU3002SW+BUM300S×1」と「BU300RW+BUM300R×1」と「BU200RW+BUM300R×1」が該当します。

弊社UPSの型式に関する説明をします。

BU***2RWLやBU***2SWは200V UPSです。(RWLはラック型、SWはタワー型)
型式後半部のアルファベット一つ前の数字に「2」が付いている型式が200V UPSです。「2」でない場合は、100V UPSです。
BUM***は、UPS本体に接続する増設バッテリです。バックアップ時間を確保したい場合にご利用ください。

「NX-1065-G6」は基本的に200V 電源であり、ラック型ですから、この例でUPSを選定する場合は「BU5002RWL」になります。

NXシリーズに接続するUPSには、2020年2月発売予定の200V UPS「BU5002R」または「BU3002R」もご検討ください。現状、上記「バックアップ時間の目安」には、「BU5002R」および「BU3002R」含まれておりません。バックアップ時間など仕様を確認されたいときは弊社までご連絡ください。

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